犯行に及んだ理由
夫婦間トラブルは自宅で起きるケースが目立つ。なぜ、その場で凶器を購入してまで外出先のスーパーで犯行に及んだのか。
益代さんは事件当時、市内の公営集合住宅で暮らしていたという。
「もともと、その部屋は益代さんのお舅さんがひとり暮らししてました。お若く見えて健康的でしたが、数年前に体調を崩し、たびたびお世話に訪れていた益代さんが同居するようになりました。その義理の父親が2〜3年前に入院し、ほどなく亡くなったんです。同居中はさほど介護の必要はなかったはずですが、逮捕された旦那さんは様子を見に来ることはありませんでした。実父の世話は奥さんに任せっきりにしていたのではないでしょうか」(公営集合住宅の女性住人)
夫婦は別居していたようだ。孝行容疑者の父親が亡くなって以降、益代さんがひとりで暮らすようになった。
「不思議なのは遺産相続でのトラブルの可能性が報じられていることです。義理のお父さんは堅実に働いていましたから多少の蓄えはあったかもしれませんが、夫婦の間でモメるほど巨額の財産を残したとはとても思えません」(公営集合住宅の男性住人)
複数の住人によると、益代さんはふくよかなガッチリ体形で、落ち着いた服装で働きに出ていた。
別の女性住人は言う。
「益代さんはイエス、ノーがはっきりしています。声に張りがあるので、人によっては威圧的に感じたり、カチンとくるかもしれません。事件後、益代さんの姿を見かけなくなり、亡くなったことを実感しています。夫婦ゲンカはよくあることですが、殺すほどのことだったのでしょうか」
孝行容疑者の父親は草葉の陰で何を思っているだろう。