sakurainagaki

 ‘95 年にテレビ東京系列で放送された時の視聴率は平均7.1%。“アニメ=子ども”という概念を見事に裏切る内容や描写などから、オンエア終了後に話題を呼び、社会現象にまでなった『新世紀エヴァンゲリオン』。

 劇中の設定は“西暦2015年”から始まっている。そこで、エヴァ芸人として活躍する桜 稲垣早希にエヴァの魅力について改めて聞いた。

「お正月に一挙放送する夜中の再放送で『エヴァ』を初めて見たんです。でも、描写がグロテスクだったので、親が“見るな”って止めて、稲垣家は『エヴァ』禁止になってしまったんです。ただ、どうしても見たかったので、同じマンションの違う階に住んでいた『エヴァ』好きの従姉妹のお姉ちゃんが “さきちゃん、夜中にこっそりおいで”って言ってくれて、抜け出して見ていました。当時からしたら、ありえないくらいカッコいい描写で、オープニングもスピード感があって。今見ても全然、古臭くないので、やっぱりすごいなって改めて思います」

 確かに「グロい」「難しそう」と、感じている人も少なくないかもしれない。しかし、それで食わず嫌いせずに1度見てほしいという。

「まずは単純に作品として見てほしいですね。一番はとにかく戦闘シーンがカッコいいんです。ロボットではないんですが、ほかのロボットアニメとは全然違う演出だったりするんですよ。例えば、主人公がまったく戦う気がなかったりとか……」

 使徒との戦いや父との確執の中で、シンジはたびたび苦しみ、成長しながら自分の存在意義を求めていく。葛藤や父親への反発により『エヴァ』に乗ることを躊躇することもあったが、父親に認められたいという屈折した気持ちも。「逃げちゃダメだ」と自分に言い聞かせるセリフは有名だ。

「ゾクゾクさせる要素がたくさんあるんです。後から、いろいろつながっていたってわかったりするし、ストーリーを楽しんでから、深い部分を考えればいいと思います」

 本編を見たことがないという人も少なくないのに、『エヴァ』の認知度は20年たった今でも高い。それを裏づけるように、通信カラオケ『JOYSOUND』および『UGA』シリーズで歌われた楽曲を集計した『’14 年 JOYSOUND年間ランキング』では、『エヴァ』の主題歌で高橋洋子が歌う『残酷な天使のテーゼ』が4位に入っている。

 パチンコ機でもモデルチェンジを続け、今でも人気シリーズのひとつだ。

「営業の仕事とかでおじさまやおばさまの前でネタをするときに“『エヴァ』知っている人~?”って聞くと“パチンコで打った~”と言う人もいるんです。パチンコから、本編が気になって見たなんて人もけっこう多いみたいです」

 『エヴァ』のキャラクターの中で、アスカがダントツで好きだというが、実際は正反対キャラだったんだとか。

「私は昔、すごくおとなしくて何もできないような感じだったんです。シンジみたいに周りに流されてオロオロしている感じの子でした。人見知りもけっこう激しかったんで、アスカみたいに何でも思ったこと言えるようなキャラクターに憧れていたんです」

 ついでに、アスカではなく、早希ちゃんの男性のタイプはというと。

「仕事でヨーロッパに2年半も行っていたのに、英語もしゃべれないし、私はアホなので、頭のいい人が好きです。学歴がいいとかじゃなくて」