1999年にメジャーデビューしたガールズバンド、Whiteberry。翌年9月に発売された『夏祭り』は、オリコンチャート最高3位を記録する大ヒットとなり、この楽曲で第51回NHK紅白歌合戦にも出場。現在はソロで音楽活動を行っているボーカル・前田由紀に当時の『夏祭り』を振り返ってもらった。
レコード会社の担当者が私たちWhiteberryのキャラクターに合うのではと、3枚目のシングル曲としてJITTERIN'JINNの『夏祭り』のカバーを提案してくれたんです。私はこのときに初めて『夏祭り』を聴いたんですが、"いい曲だな~"と思いました。
今でも忘れられない出来事は、生放送の音楽番組で『夏祭り』を演奏した翌日のこと。メンバーと一緒に原宿を歩いていたら、大勢の人が私たちを振り返って見てくるんです! 前の日は誰にも気づかれなかっただけに、1日でこんなに反応が逆転するなんて、ビックリしました。
とはいえ、普段は地元・北海道の中学校に通っていて、普通に生活していたので『夏祭り』が売れている実感はあんまりなかったんです。仕事では『夏祭り』を元気に歌う日々でしたが、プライベートではセンチメンタルバスの『花火』という曲を聴いて、切ない気持ちに浸っていましたね(笑い)。
その後、進路の違いなどで’04年にホワイトベリーは解散しました。私はその1年後に、ソロとしてやっていくために単身上京。あのころは、はっぴいえんどの『夏なんです』をよく聴いていました。
あれから16年。今年もいろんなイベントに呼んでもらって『夏祭り』を歌っています。当時はオリコンシングルチャートに入ることがどれだけすごいことかよくわかっていなかったけど、全国各地で歌っていくうちに、本当に多くの人が『夏祭り』を知っていることに気づきました。こんなにも長く歌われたり、聴いてもらえているのは、すごくうれしいです。
Whiteberryは私のすべてでした。それだけに、解散後も『夏祭り』が残っていて、今でも歌い続けることができて幸せです。『夏祭り』があるからこそ、私は今もみんなの前で歌うことができているのだと思っています。