いよいよ放送がスタートする大河ドラマ『真田丸』。作品への期待が高まる中、主人公・信繁を演じる堺雅人に作品にかける意気込みを語ってもらった。
脚本の三谷幸喜からは、演技について具体的なリクエストはあったのだろうか。
「まったくないです。任せられているのか、諦められているのか……(笑い)。今はまだ、僕がどうこうという段階ではないと思うんですよ。三谷さんなら、何かあれば絶対におっしゃってくださると思うので。だから、今は好きにやれという時期なのかな、と自分では思っています」
信繁とともに戦乱の世を生きた、ほかの武将などを演じる俳優陣も豪華だけど、現場の雰囲気はどんな感じ?
「本当に素晴らしいキャストの面々ですよね。徳川家康を内野聖陽さん、上杉景勝を遠藤憲一さん、北条氏政を高嶋政伸さん……。でも別々に撮影していまして、この前、北条家のシーンを見たらテンションが全然違うんですよ(笑い)。同じドラマとは思えないくらいに重厚な感じで。僕ら真田家はもうちょっとホームドラマみたいな感じなんですけど。
でも、このバラバラ感も、面白いと思うんです。作品に厚みを与えてくれるはずです。ただ、一緒に芝居をすると、役者ってお互いにテンポや息を合わせてくるので、今後どうなるのかも楽しみなんですよ」
真田家の女性陣も魅力的。
「よくぞ聞いてくれました(笑い)。姉の松役、木村佳乃さんと母・薫役の高畑淳子さん、祖母・とり役の草笛光子さん、妻となる、きりを演じる長澤まさみさん、梅役の黒木華さん。
草笛さんは本当に凛々しくて、真田の激戦をくぐり抜けてきた女という感じですし、高畑さんは都からやってきたということで、場になじめない感じというか、あえてなじまないような不器用さが出ていますし。
木村さんは何かと陰惨になりがちな戦国のお話に、ふわっと花を咲かせるような天性の明るさがあります。長澤さんはトリックスターのような、物語をかき回すような役ですが、魅力的な素晴らしいお芝居をされていますし、黒木さんは若いんですけど時代劇がよく似合うというか(笑い)、気高いお芝居と技術はすごいなと思います」
そんなキャストたちとお芝居をしてみての感想は?
「現場ではただただ、笑ったり感心したり感動したりです。何かお客さんとしてスタジオに遊びに来てお金をもらっている感じで(笑い)、本当に幸せな毎日です。
今回、僕の役は何かと何かをつなげる役回りが多いんです。だから視聴者の方にも、僕がお芝居しながらすごいと思ったことがつながっていけば、と思っています」
大河ファンへ向けてメッセージ。
「自分たちが面白いと思ったものを、一生懸命作ることが誠実な作り方だと思っています。もちろん伝統は大事だと思いますが、誰かのまねをしたり“こうすれば大河っぽくなるだろう”みたいなお芝居はしないようにしたいなと。
スタッフ、キャストともに素晴らしい人たちが集まったので、そのみんなで話し合って面白いと思ったものを作ることが、いちばん誠意ある作り方だと思っています。僕自身、三谷さんが本腰を入れて戦国を書くというだけで見ていただきたいという気持ちがあります。早くみなさんに見ていただきたいですね」