■ケース1:最終手段は会社に母からの鬼電話
週末になると、
「元気? 今日はお休みでしょ? 何してるの?」
なんて連絡が母からくる今日このごろ。朝早い時間や、仕事中の電話に出られずにいると、今度は大量のメール攻め。電話よりもメールのほうが面倒なので、さらに放置……。1週間ほどたったある日、出社すると上司が心配そうに、
「おまえあてにお母さんから電話きてるぞ」
と寄ってくる。あわてて電話をかわれば怒鳴り声。
「なんで無視するのよ! 警察に捜索願を出すとこだったわ!! 仕事で家に帰れてないなら、今日休ませるって話してあげるわよ」
もう子どもじゃないんだから、会社に電話をするのはやめて!(27歳・女性)
■ケース2:「服が欲しい」はもう言わない!
高校生は部活のジャージもあったし、制服で足りていたけど、大学生は私服登校。新しい服がたくさん欲しい。とはいえ、バイトをしていない貧乏学生の僕は、軍資金を母にねだることに。
「ねえ、服が欲しい」(僕)
「金曜日でいい?」(母)
ヤケにすんなりお願いを受け入れてくれるな……と、この時点で疑っておけばよかった。
金曜日。授業を終えて自宅へ帰るとニコニコ笑顔で迎え入れてくれる母。
不審がりながらリビングへ入れば、そこには蛍光グリーンの英字ロゴが入ったTシャツや、いまどきロッカーでも着ないボンデージパンツなど、ダサダサ服が山積みに!
「たくさん買ってきちゃった! こういう服、絶対似合うよ。これからも、ママが選んであげる!」(母)
もうこれからは、自分ひとりで買いに行きます……。ちなみに、その服たちは1年たった今でも、1度も着てません。(19歳・男性)
■ケース3:「ウチの娘、会社休みます」
いつもは土日出勤しているパートの母。ある日、珍しく土曜日なのに休みになったとゴキゲン。
「ねえ、久々にいっしょに買い物に行こうよ」
と、誘ってくれたものの、母とは逆に、運悪く私は出勤日だったため、いそいそと出勤準備。化粧をして着替えてと動き回っていると、ちょっと遠くで母がすすり泣く声が聞こえる……?
「はい、そうなんです。由紀は今日、お休みします……。ごめんくださいませ」
と、電話を切ってVサイン。ポカンと眺めていると、
「母と遊ぶことなんて、もう一生ないかもしれないわよ!」
結局、母に押し切られて、その日は本当に休んでしまった私。すっかり仕事がたまり、翌日は残業でした。アンタの都合で私の休みまでも左右するのはやめて!(30歳・女性)
■ケース4:レベルの高い食糧補給部隊
先日、山梨県に住む母から、電話がきた。
「あさって名古屋に用事があるんだけど、少し家で休ませてもらってもいい?」
その日は授業の後、サークルとバイトが入っていて、どうしても家に帰れないと伝えると、
「あ、大丈夫。鍵持ってるから。1時間くらい腰かけたいのよ」
というので、それくらいならと許可を出した。
母が来る当日。バイトが終わってから携帯を見ると、母から“無事に帰れたよ!”というメールが。家にひとりにして悪かったな、と思いつつ帰宅。
室内は案の定、部屋がキレイになっている。いい気分のまま冷蔵庫のビールを取り出そうとすると、空っぽだったはずの冷蔵庫に野菜や果物などの食材がびっしり。大好物のマーボー豆腐やシチューも冷凍されている! 冷蔵庫には手紙も入っていて、恐る恐る開けると“使ってね”というひと言メモと、1万円札が!
すごく助かるけど、これは絶対1時間じゃ用意できないはず。本当に用事があって来たのかも謎。わが家に入りたかっただけなのでは……。(24歳・男性)
イラスト/きくちもも