■男性が女性とすれ違うのは当然
「男性は女性のように細かく気がまわりづらいもの。悪気はないのです。なぜ見えないのかといえば、やる気がそもそもないという場合が多い。そういう方は、把握する気もなく、それについて考えたこともないのです。もちろん、かなり気がまわる方もいるので一概にはいえませんが」
そう語るのは、夫婦問題に詳しいカウンセラーの二松まゆみさん。家事や育児の場面で、男性が常に家族の一歩先を考えて行動する女性とすれ違うのは、当然のことだと言える。
「だからこそ、夫に家事をちゃんとしてもらうには、初めて家事を手伝う小学生を相手にするように丁寧に教える必要があります。台所のどの棚に何が入っているかなど、こと細かに書いたマニュアルを作り、それをもとに説明します。できなければ、感情的に怒らず、“ほら、このページに書いてあるわよ”と見せること」
言い方が気に食わないと、へそを曲げる夫もいるが、
「男性は女性に対していつでも優越感を持っていたいもの。世の中では“男女平等”といわれていますが、家庭に平等を持ち込みすぎると男性は嫌がります。だから私は家事も完全な等分はすすめません。平等、平等と言いすぎてセックスレスに陥る夫婦もたくさん見ていますから。相手を立てつつ、子どもに教えるようにやさしく教えていくのがベスト。相手が7割しかできていなくても文句は言わないで」
結局、女性があきらめるしかないのか─。
「あきらめるのではありません。相手を上手にコントロールします。基本的に男性はマザコン。結婚した時点で、妻は女性ではなく母親になってしまう。母親になったつもりでやさしく接してやることです」
■熟年離婚せずに生きていくには…
若いうちに夫をコントロールできなかった夫婦は産後クライシスに陥り、うまく愛情を回復できず、熟年離婚に至るケースが多い。
「育児や家事に協力しない夫を持つ女性は、その恨みを一生忘れません。報復に、夫にセックスを許さなくなり、セックスレスになる夫婦も多い。そして熟年になり、経済力のある女性は離婚できますが、経済力がなければ、苦痛を感じながら一緒にいるしかない。そんな夫婦はたくさんいます」
それでも共に生きていくには、どうすればいいの?
「夫婦で何か大きなことを乗り越える経験を持つこと」
例えば、身近な人の死や、事故、病気などを支え合って乗り越えた経験がある夫婦は絆も深まるという。
「夫婦で共通の夢を持つこともよいです。定年になったら旅行するなど些細なことでいいので、同じ目標に向かって努力していくこと。これが夫婦の愛を深めます」
【この人に聞きました】
二松まゆみさん/恋人・夫婦仲相談所所長。結婚・離婚・再婚・セックスレスをテーマに活動中。