五輪王者の羽生結弦選手が8月7日、今季に演技するフリーの新プログラムの一部を明かした。ショートについては6月に、ショパンの『バラード第1番』を使った新プログラムをすでに発表している。
フリーもショートも難度が上がっていて、成功すれば世界歴代2位の293・25点という自己ベストを更新することになる。また、300点という世界初の大台も見えてくる。
ケガの心配もしてしまうが、スポーツライターいわく、
「ジャンプは難度が高くなるほど身体への負担も大きくなります。でも、彼はカナダでしっかりとしたケアをして、強くなるためによりよい筋肉をつけていく作法を身につけたそうです」
「震災の後に東神奈川へ来た彼と“アクセル以外の5種類の4回転ジャンプができるように成長していこう”と約束しました。ジャンプというのはエッジが違うだけで空中での感覚は同じ。そういう意味では1つの4回転ジャンプができるようになれば、他のジャンプも容易になるという解釈をしています。」
とのことだった。現役時代、世界選手権3位の実績を持ち、解説者としてもおなじみの佐野稔氏(59)も絶賛。しかし、フリーの新プログラムについては
「ちょっとだけ難しくしただけですよ。今季は昨季の4回転ジャンプのうちトウループのほうを2回やって、全部で3回。彼の成長を考えれば、成功率の高いプログラムです。もし都築先生が羽生クンに5種類の4回転をめざすと言ったのだとしたら、実現可能だと思います」
と語った。が、驚くことに、本人はさらにその上を目指していた。最近のスポーツ雑誌のインタビューでは、こう明かしている。
《クワドアクセル(4回転半)もやっています。4回転と4分の1、つまりアンダーローテーションの判定で転ぶくらいの状態まで回っています》
あくまでも《自分の士気を高めるため、自分の実力を高めるため》に練習しているのだという。また《何かを初めて跳んだ人とか、史上初と言われる人になりたい》とも。今後の出場試合について日本スケート連盟に問い合わせると、
「フィンランディアとグランプリシリーズの中国杯とNHK杯への出場は確定しています。グランプリファイナルはそれをクリアしないと出られません。全日本選手権には当然出るでしょう。全日本選手権が世界選手権の予選になっていますから」