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 人気女優・篠原涼子がモデルを務めている、群馬県桐生市の観光ポスターが話題を集めている。

「(問い合わせの電話に)よくぞ、という思いです。反響は数字にも表れていまして、観光協会のFacebookは2万人以上が閲覧。そして市役所のHPへのアクセスも3万件を超えまして、これも市のHP始まって以来の高アクセス数で、それぞれが最高記録になりました。市民のみなさんにも喜んでいただいていて、“よくやった!”との声もいただいています」(桐生市役所・観光交流課担当者)

 東京・東銀座の歌舞伎座前に店を構える群馬県のアンテナショップ『ぐんまちゃん家』内にも、貼られているこのポスター。各市の観光案内ポスターが並ぶ中で、それは確かに異彩を放っている。

「大胆に肩を出して黒いドレスを着た篠原涼子さんが、まっすぐカメラ目線でポーズ。新ファッション誌の創刊か、はたまた化粧品など新商品広告かと思いましたよ。ところがローマ字でブランド名のように『KIRYU』、そして小さく《桐生市》ですからね。そこで初めて桐生市のポスターだとわかりました」(広告代理店関係者)

 ポスターにはさらに小さく《桐生市観光大使 篠原涼子》とある。それにしても観光誘致ポスターというのは、名所や食べ物、特産品などの写真や、街の売りを説明する文章など、情報を詰め込んだものが一般的だ。

 桐生市はなぜ、ファッション誌のようなポスターになったのか。

「当初は織物工場ののこぎり屋根ははずせない、発祥地と言われるソースかつ丼を載せてはとか、幅が広いひもかわうどんも……などいろいろな声もあったのですが、ありきたりのものではダメだと。あえて情報をすべてそぎ落として、『KIRYU』という文字と篠原涼子さんの魅力を全面的に打ち出しました。そして桐生市は織物の町なので、下に少しだけ帯の柄を入れて。あとは “どんな町なんだろう?”とウェブ上で調べていただいて、見た人の思いによって情報を導くような、ポスターはそんな“入り口”として位置づけました」(前出の担当者)

 しかもこのポスターは“本物”の如く、かなり本気の作りとなっている。プロカメラマンの渡辺達生氏が写真を撮り、SMAPを担当するスタイリストも参加。 篠原サイドの協力のもと、企業広告であったならば本来数千万円はかかるであろう撮影態勢だ。

「予算のほうは300万円だったんですけど、A1とB1サイズ、モノクロとカラーそれぞれ1500枚ずつ、4パターンで計6000枚刷りました。篠原さん自身はノーギャラで出ていただいています」(前出・担当者)

 これも彼女の地元愛がなせるワザか、トッププロたちが集まった現場が、ポスター用紙と印刷代だけであろう300万円で収まったのだとか。

「彼女としては自分を育ててもらった、桐生市への恩返しの意味も込めて協力しているのでしょう。’10 年に同市に住んでいた最愛のお父さんが亡くなりましたが、以降も毎年のように市村正親さんら家族と里帰りをしているみたいですね。父と芸能界を目指した場所でもある桐生は、今も彼女の支えになっているのでしょう」(芸能プロ関係者)

 同市は今後、こんな計画も検討中だという。

「問い合わせが殺到している状態でして、ポスターを掲示してくれることを条件としまして、市内に限定せずに全国公募といいましょうか、欲しい方に差し上げようかと企画しているところです。6月くらいになるかと思いますが、全国から応募してモノクロとカラー両方100枚ずつでどうかと検討しています」