【好評連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】自身の長男の父親をめぐり、元夫である俳優・大沢樹生との間で騒動を繰り広げている女優・喜多嶋舞が、8日発売の女性誌『婦人公論』(12月22日・1月4日号)にて、芸能界からの引退を表明した。その理由として喜多嶋は「私が女優だから、息子や家族が世間の好奇な目にさらされてしまった」「女優としての自分の人生にピリオドを打ち残りの人生を母として妻として生きていこうと決めた」と説明、いずれ再び長男のDNA鑑定を行う意向であることも明かした。

喜多嶋さんの考え方は自己中でしかない

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 自分と血が繋がっていない子どもを育てていたというケース。そのこと自体は、世間一般でありえない話ではないわけです。しかし、大沢樹生さんと喜多嶋舞さんの場合は、芸能人であるという自分たちの立場を考えたとき、なぜ公で争う姿をみせてしまったのか。まずそこからして、常識外れだと思うわけ。

 喜多嶋さんの『婦人公論』のなかでのコメントを読んで、その内容に私は、女性として母親として呆れました。なかでも最も呆れたのは、"身の潔白のため"にもう一度長男のDNA鑑定をしたいというところ。

 これは完全に潔白という意味をはき違えていますよね。わざわざ息子を引っ張り出してきて、再びDNA鑑定をするという行動は、決して清いものではありませんよ。自分の身の潔白を証明したいだけであって、息子のことなんて考えていない、自己中心的な考え方です。

 さらに喜多嶋さんは引退宣言をしています。勝手にフェードアウトすれば良いところを、なぜわざわざ“引退する”との言葉を選んだのか。それはつまり、マスコミから距離を置きたいということですよね。これ以上騒がないでくれと。今後私に関する記事を書かないでほしいという予防線を張っているようにも受け取れます。

 一方、大沢さんは、喜多嶋さんの“母として妻として生きていく”という言葉を受け、“母親としていいんじゃないですか”と言っています。ただ引退宣言をしたくらいで、母親らしくて良いという評価をするのであれば、そもそも最初から公の場で騒動を起こすほどのことだったのか? と言いたくもなりますよね。

 感情論でお互いを罵り合う姿を、立場を忘れて世間一般にまで公開して、その際に未成年の息子まで引っ張り出してきてしまった、親として最も情けないパターンだね。

唯一の事実は、彼女が母親であるということなのだから

 大沢さんにも喜多嶋さんにも、それぞれの言い分があると思います。もはや何が真実なのかはわかりません。しかし、唯一の事実は、彼女が産みの親、つまり母親には変わりないということです。そうである以上、その事実を大切にして息子を守る、気遣うことこそが母親の役割なのではないでしょうか。

 いずれにせよ、人間、苦しい環境を乗り越えると逞しくなるものです。今回DNA鑑定で図らずも焦点が当たってしまった長男も、親がどうであれ、育ててくれた人たちにはきちんと感謝のできる心を持った、逞しい大人になってくれるといいなと思います。

《構成・文/岸沙織》