変態人生の幕開け
高島容疑者は、2011年に神奈川・横浜市立中学の校長として定年退職するまで36年間、教職の立場にあった。教諭から副校長、校長とキャリアアップ。定年退職後も市立中学に再任用され、公益財団法人の研究員として教育冊子の編集長も務めていた。エロと教職のギャップが、周囲をさらに驚かせることになる。
26年前、文部省(当時)の派遣試験に合格しフィリピンに派遣されたことが、変態人生の幕開けとなった。取り調べに「買春はマニラの日本人学校に勤務していた1988年に始めた。倫理観のタガをはずすことで解放感を得ることができた」と供述している。
警察によると、延べ約1万2600人以上の女性を買春。その行為を収めた写真約14万7600枚がナンバリングされたうえ、410冊のアルバムに整理されていたという。女性の年齢は13歳から70歳と幅広い。ロリコンマニアでも熟女専門でもなく、手あたり次第という“性獣”ぶりだ。
フィリピンで解放感を味わい帰国すると、日本では教員人生を全うしていた。妻と2男1女の5人家族。豪華な一戸建てに住み、ガレージには外国車と国産車が1台ずつ。近所の住人は、
「色黒で、小太りな方。物静かな感じです。BMWに乗り込むところを見たとき、ジャージっぽい服で、そのギャップにあれ? って思ったことがあります」
マニラの日本人学校から帰国後に勤務した中学校関係者は、「女子生徒を怪しい目で見るなど、不審な話は一切なかった。子どもと接するのがあまりうまくはなく、積極的に入り込んでいくタイプではなかったので、担任はしていません。技術の先生で、授業後は技術準備室にこもっていることが多かった」と証言する。
容疑者が校長を務めた学校関係者は「犯罪と結びつくようなことには、気づかなかった。誰に聞いても“信じられない”と言うはず」と放心。
鋼の仮面をかぶり、無難な教育者を演じ切っていたのだ。
公務員の場合、海外に行く際には旅行届を教育委員会に提出するが、容疑者の渡航理由は“マングローブの植林ボランティアの団体に参加するため”。虚偽の申請をし、計65回も渡航していた。
容疑者が校長時代に娘が通学していた保護者らは「そのころから(買春を)していたと思うと……言葉が出ないですよね」「本当に気持ち悪い。驚きの後に怒りが込み上げ、その後はアキレる。汚らわしい」と眉をひそめる。