■Day-2 封鎖された隧道で起こる怪奇現象「東京湾観音」
千葉県の南房総国定公園にある東京湾観音を参拝する直前にある観音隧道。トンネル内でクラクションを鳴らすと怪奇現象が起こると噂されているスポットへ向けて2日目はスタート。
おいらん淵で失態を犯した私は酔い止め薬を飲んで準備万端。M子も前回購入した“食卓塩”をお守りとして持参していた。
最寄り駅から車で観音隧道へ。出発して2~3分で、カーナビが目的地到着を知らせている。時間は夜10時30分。
懐中電灯の明かりだけを頼りに辺りを見回すと、短いガードレールの先に暗く嫌~な雰囲気を漂わせるトンネルを発見。
「では行きましょうか」
ノリノリのW氏を先頭に、いざトンネルへ。入り口には『注意 先入車優先』の文字。かつてはトンネル内で正面衝突する事故が多発していたのだろうか─。
入り口が封鎖されていたため、車で入ることができず、クラクションを鳴らすミッションに挑戦できなかったことが悔やまれる。噂によれば、クラクションを鳴らしてライトをつけると、壁にビッシリとはりついたお坊さんたちが一斉にこっちを向くのだとか、逃げる車のフロントガラスに無数の手形がつくなどの現象が起こるらしい。
破られていた金網の隙間から足を踏み入れてみる。
内部はコンクリートで補修されているものの、水がピタピタと漏れている。
「足元が粘土みたいで気持ち悪い……」
そうM子が言うのも無理はないくらい路面が濡れていて、靴に土がこびりつく。足早にトンネルを進むと、落書きされた跡や空のペットボトルなど、人が侵入した形跡は確認できたが、幽霊が現れる気配は感じられない。
「どちらかというと崩落のほうが怖いな……」
足早に東京湾観音を拝むと、同地を後にした。