生活必需品も満足に買えず、危機的な状況に陥っている買い物難民が600万人にのぼるという。その多くは高齢者。そんな彼らを救うビジネスが広がっている。小型無人航空機『ドローン』を使った宅配サービスも始まりつつある。
「私どもは“まごころサポート”という事業を行っております。全国の新聞販売店などを拠点に、30分500円で60歳以上のシニアが抱える“ちょっと困った”を解決する、お手伝いサービスです。スタッフの手の空いている時間に高齢者のお宅に訪問します」(『MIKAWAYA21』代表取締役社長・鯉渕美穂さん)
サービス内容は、買い物や窓ふき、話し相手になるなど。お手ごろな価格設定と、“日常のちょっとしたことを気軽に頼める”ことがウケて、依頼が急増。
「その結果、スタッフの手の空いた時間だけでは回らなくなりました。そこで、“買い物は人じゃなくてもいいのでは”と、思いついたのがドローンの活用です」(鯉渕さん)
ドローン配達の流れは、こうだ。まず利用者がコールセンターに電話をかけて日用品などの商品を注文。連絡を受けた新聞販売店はドローンを商店に発進させ、利用者には到着予定時刻を連絡。
ドローンが商店に到着したら、ドローン下部に備えつけられた専用ボックスに商品を入れてもらい、再度出発。利用者の自宅に到着したら、利用者に電話連絡して商品をピックアップしてもらい、配達が完了。
「山間部にあるお宅への配達は、車やバイクだと何度も切り返しながら進むため、お届けするのに時間がかかります。しかしドローンを使えば、もっと短時間で届けられるようになると期待しています」
昨年、徳島でのテストフライに成功。'18年には本格的な実用化を目指している。