3月12日公開の映画『家族はつらいよ』で、結婚50年目にして離婚の危機に直面した夫婦役を演じる橋爪功(74)と吉行和子(80)。
吉行「“お父さんと一緒にいるのが、私のストレスなの”っていうセリフ、あれは世のお母さん方のほとんどが共感してくださるんじゃないかしら」
橋爪「映画館で拍手喝采が起きるかもね(笑い)」
2人は過去に何度も夫婦役として共演している“ベテラン夫婦”だ。
吉行「私は独身だから、何もかも新鮮でした。旦那さんの靴下を脱がしてあげたり、洋服をかけてあげたり……初めての経験で楽しかった!」
橋爪「僕は吉行さんの優しさが怖くてね。特にニッコリ笑って離婚したいって告げられるシーンは、もう心底怖かった……!(笑い)」
――日本を代表する巨匠・山田洋次監督からは、細かく演出の指示が入ったそうですが。
橋爪「妻夫木(聡)と俺と犬で歩くシーン。あの場面だけで3回も撮り直しですよ。でも何が悪いかわからなくて。妻夫木と“お前が悪いんじゃないの?”って(笑い)」
吉行「私も何度もNGになったシーンがあって。そのとき監督から“旦那さんに男を感じてください”って指示があったの。橋爪さんに男を感じたわ、ちょっとだけね(笑い)」
橋爪「そうか。ちょっとで残念だったねぇ」
――結婚経験のあるおふたりですが、結婚したら男女観って変わるものだと思いますか?
吉行「そこは経験豊富な橋爪さんが(笑い)」
橋爪「僕は男と女は違う生きものと思っているから、簡単に理解できるとは思わない。性別だけじゃなく、人それぞれ考えは違うからね」
――また、おふたりの夫婦役が見たいです。
橋爪「オファーが来たら、喜んで引き受けます」
吉行「私も! でも橋爪さんはいつまでもお若いから、いつか橋爪さんの“お母さん役”が来そうで怖いな」
橋爪「そんなバカな!」
吉行「それだけはいくらお願いされてもお断りするわ(笑い)」
撮影/佐藤靖彦