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 大河ドラマ『真田丸』。天下をとった秀吉にぴったりと寄り添い、支えていく石田三成(山本耕史)は信繁の“直属の上司”にあたる。

「器用そうに見えて、非常に不器用というのが、今回の三成の面白いところだと思います。破綻なく、淡々と職務をこなすんだけど、大きな目で見たらすごく不器用な人生を歩いているのが見てとれるんです。それは山本くんに対する、三谷さんの当て書きなのかは知らないですけど(笑い)。

 彼とは『新選組!』以来の大河ドラマでの共演。あのときは同志で、今回は上司と部下だけど、違和感がないんですよ。彼も本当に何でもできる役者で、何をしても“山本くんなら”と納得して驚かない人ですから、ある意味、今回の三成は彼らしいかもしれません」

 そして、秀吉が愛してやまない側室の茶々(竹内結子)。

「茶々には、ちょっと毒があるんですよ。危険な甘い毒が。まだ先の話ですが、『関ヶ原の戦い』で敗れたあと、九度山で隠居生活をしていた信繁を大坂城に茶々が呼び戻すことで、信繁は“死”に向かうことになるんですから。

 先日、茶々とのちょっとしたラブシーンのようなものを撮ったのですが、演じている竹内さんの、少女のような目と大人の色気のある目がクルクル変わる感じが素晴らしかった。カットごとに変わるというか素敵な女優さんというのはそういうところがあるので、竹内さんの茶々についていこうと思っています」

 大坂編の鍵を握るのはこの3人、と名前をあげた堺。

「今回は秀吉、三成、茶々がスリートップです(笑い)。秀吉から受ける影響は甚大なものですし、茶々からも秀吉とは違ったもの、ある種の祝福と呪いを受けます。三成とは、これまでの信繁が他人と築いてきた、どんな関係とも違うものになりますし。

 この3人が主役になると思います。僕はその間をちょろちょろと、ツッコみながらやっていきます」

 序盤は父・昌幸に、大坂では秀吉にと、主導権を握られている信繁。一歩下がった立ち位置に見えるけど……。

「今回の主人公が、そういう役回りだからだと思いますよ。最後の最後まで信繁にスポットが当たらない、というところが面白いと思っているので。こんな立ち位置ですけど、周りからは“堺さん、堺さん”とチヤホヤしてもらっているので(笑い)、僕は大丈夫です。

 これで出番も少なくてセリフも少なくて、楽屋も遠いところにあったら寂しいですけど、自尊心は傷つけられずにやっております(笑い)」