ローソンは、店内に介護相談窓口とサロンを併設した店舗を、埼玉県、新潟県、大阪府、山口県、福岡県で6店舗を展開。ローソンの標準的な品物に加えて、介護食や小分けした惣菜、生鮮品、菓子などをそろえている。
また、高齢化や過疎化が進む地方自治体と提携して、広島県や佐賀県では、食品や生活用品を取り扱う移動販売を実施し“買い物難民”解消に取り組んでいる。
超高齢化時代に、買い物難民は地方だけでなく都会でも社会的な問題になっている。そのため政府は、商店の建築が原則禁止されている「第1種低層住居専用地域」でのコンビニ出店規制緩和の方針を示した。
しかし、閑静な住宅街に、利便性がよくても、24時間営業のコンビニができるのは、課題もありそうだ。
宅配や見守りサービスに加えて、行政サービスも利用可能に。
店内に設置されたマルチコピー機では、一部エリアの行政の各種証明書(住民票217市区町村、本籍地の戸籍証明書2市)の交付を取得できる。今後、マイナンバーの普及とともに拡大が見込まれ、ライフラインの役割も担う。
「業態だけでなく、会社や売り場、PB商品にも変化があります」(渡辺さん)
業界NO.1のセブン-イレブンは、人事をめぐって“コンビニの父”といわれた鈴木敏文会長の電撃退任で注目された。カリスマの引退や業界再編の動きで、競争が激化することが予想されている。
ローソンは、スリーエフと資本業務提携し、スリーエフの一部店舗を新ブランド『ローソン・スリーエフ』に転換する。
ファミリーマートは、9月をめどにサークルKサンクスと経営統合する。その結果、『サークルK』『サンクス』の看板が消えることに。経営統合によってセブンの18572店に次ぐ店舗数になり、ローソンを抜いて2位になる。
追い上げを受けるローソンでは7月から、1店舗で扱う商品をこれまでより500品目増やして、約3500品目にする。商品の充実を図り、消費者ニーズに応えるとともに、ライバルに対抗する。
独自路線を走るのはミニストップ。創業以来、コンビニエンスストアと、店内加工ファストフードを融合させた“コンボストア”という業態で、ほかのコンビニとの差別化を図ってきた。
ソフトクリームやパフェ、ホットドッグなどのオリジナルファストフードが人気だが、今後は、健康を軸として商品の品ぞろえを強化。食品以外に、無添加の石けん、シャンプー、オーガニックの嗜好品などの展開を予定している。
売り場の変化では、各コンビニでイートインコーナーを設ける店舗が増えたり、店内を、女性をターゲットにしたレイアウトに変更する動きがある。
「最近は、個店別対応になりますが、店頭での野菜販売を強化したり、花を販売したり、お酒の種類が豊富だったりと、地域顧客に合わせた個性的なコンビニも増えています」(渡辺さん)