■首都圏中心に拡大するミニスーパー
セブン-イレブンが、'07年から展開するPBブランド『セブンプレミアム』をきっかけに、大手メーカーと組んで開発された商品を、手ごろな値段で買えることから人気を集めたPBは、各コンビニで主流になった。
「PBは差別化するためだったが、各社、横並びになった結果、パッケージが均一化し、同質化してしまった。いち早く新商品が並んだコンビニならではのワクワク感や宝探しのような魅力が消えつつある」(渡辺さん)
最近はNB(ナショナルブランド)といわれる大手メーカー名を表記する『ダブルチョップ方式』が取り入れられている。
「コンビニでは毎年、5000品近い新商品が発売されています。入れ替わりが激しく、NBでも商品棚に残れないので、PBと組むことで、安定して中長期的に商品を販売することができます。
一方、ダブルチョップ方式のPBは消費者にとってなじみのNBの商品を独占的に取り扱うことができるので、コンビニ側にとってもメリットがあります。ただ、メーカーにとっては、培ってきたブランドの魂を売ることにもなります」(渡辺さん)
渡辺さんによると今後、食品ミニスーパーが、コンビニのライバルになる可能性があるという。
飲料や食料品を中心に生鮮3品(野菜果物・肉・魚)を扱う小型のスーパーマーケットで、首都圏を中心に展開し、ミニストップと同じイオングループの『まいばすけっと』や、サークルKサンクスと同じユニーグループの『miniピアゴ』などがある。
'05年創業のまいばすけっとは、'15年には600店突破、3000店体制に向けて出店を加速させている。
「例えば、同じジュースがコンビニで150円のものが、ミニスーパーでは90円前後で買える。コンビニより小さめだが、70~80円台のおにぎりが売れているなど、価格の安さは魅力だと思います。今後、全国展開していけば、コンビニを脅かす存在になるかもしれません」