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 「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名ブログをきっかけにした怒りの反乱はいまだおさまる気配がない。政府与党は緊急対策に乗り出すなど、ついに政治を動かすまでになったが、苦しい境遇にあえぐのは子どもを持つ親だけじゃない。

 低賃金で生活が不安だから離職者が増え、離職者が増えるほどに人手不足は悪化、ひとりの保育士にかかる負担が重くなる……。

 この悪循環を断ち切るにはどうすべきか。元帝京大学教授で保育研究所所長の村山祐一さんが指摘する。

「保育士の待遇改善が不可欠です。自民党の緊急対策はそこが不十分。賃金を実質2%、月に4000円、5000円ほど上げたからといって焼け石に水でしょう。保育所の運営費である公定価格を上げなければ、どうにもならないのです。2000年以降、保育士の給与は下がり続けています。公定価格の8割は人件費ですから最低でも1.3~1.5倍に引き上げる必要があります」

 同時に、保育士が働きやすい環境を整えていく。

「社会が完全週休2日制に移行したにもかかわらず、民間の保育所だけが取り残されている。6日働いて当たり前、夏休みに閉所したら行政の指導が入るという状態です。これを改善しなければならない。まず、週5日の勤務、300万円超の給与にすることです。そうすれば保育士を辞めずに続けられます」

 確かに、潜在保育士の多くが低賃金を離職の理由に上げている。

「今の保育士不足は、私は保育士による声なき抗議だと思っています。辞めることで意思表示をしている。それを社会はしっかり受け止めなければなりません」