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 '13年に厚生労働省の研究班が発表した調査によると、日本全国のアルコール依存症患者は109万人。パチンコなどのギャンブル依存症の疑いがある人は536万人、スマホやSNSなどインターネット依存症の疑いのある人は421万人にのぼるという。

 「だらしがないから」「根性や努力が足りてない」と思われがちだが、依存症はれっきとした病気であり、ある条件がそろえば誰でもなる可能性があるという。

「社会が発展し、経済が成長を遂げ、生活が裕福になり、社会に管理体制ができると依存症はどんどん増えます。これからは依存症の時代です」

 というのは、依存症の治療やケアプログラムを行う『榎本クリニック』の理事長で、さまざまな依存症に関する著書が多数ある榎本稔医師。

「生活が豊かになると同時に心が貧しくなり、何とかしてくれと求める人が増えます。依存症とは、現代社会が作り出す現代病なのです」

 自覚がないのが依存症であり、その原因は家族が作っている場合も。心当たりや身に覚えは、ないだろうか。

■依存症の何が問題なのか?  

 まずは依存症について整理をしてみよう。

 依存症は、大きく2種類に分けられる。アルコールやタバコ、甘いお菓子などの『物質依存』と、ギャンブルや買い物、SNSなどの特定の行動にのめり込む『プロセス依存』だ。

 ただ、こういった分類は、実はあまり大事なことではない。「〇〇好き」であったとしても、特にその人の身体が不健康になっているわけではない、もしくは家族などの周囲に迷惑や危害を加えていないなら、そのこと自体はさして問題ではない。

 そのことが好きすぎるがゆえに、身体を壊して病気になったり、仕事などに行けなくなったり、家族に暴力をふるう、犯罪行為に発展してしまうなどの事態が問題なのである。

 生活を脅かしているにもかかわらず、やめることができない「不健康にのめりこんだ」「ハマった」「とらわれた習慣」になっている状態のことを英語で『アディクション』という。