■待機児童の解消を実現できる政党は?
『保育園落ちた日本死ね!!!』の匿名ブログに始まり、政治問題化した待機児童。削減ありきで進められている社会保障でも、保育だけは別のようだ。
「あれだけ世論が大きくなってくると、なかなかすぐに削れないのでは。自民党公約は50万人分の保育の受け皿を作るといっていますが、保育園を作るのではなく、小規模保育を増やすというやり方。小規模ですから、増やしたところで入れる数は知れています。小規模保育は2歳までしかいられないため、3歳で再び“保活”を始めなければならないという問題もあります」(伊藤教授)
保育士の処遇改善も公約に盛り込んでいるが、
「国の財政を変えて8時間労働でサービス残業なし、研修も受けられるような配置にして、かつ給料を上げなければ解消されません」
かたや野党は、「保育士の給与を月額5万円アップ、30万人分の認可保育園の増設」を訴えている。
「どのくらいお金がかかり、どのくらい増やせて、何年かけて解消するという長期的計画を出すべき。それでも土地を選定してから作るまでに1年ぐらいかかるので、保育園に落ちて困っている人は救えません。少子化が進むからと保育園を作ってこなかったツケが回ってきているのです」
参院選後に、すべてが劇的に変わるわけではないが、1票による意思表示がなければ、いっさいの変化は生まれない。
伊藤教授は、有権者にこう呼びかける。
「今の政権が、参院選後にどれだけの社会保障を削減しようとしているのか、きちんと見るべき。野党が過半数を占めるなりすれば今よりは悪くならない」
また、森永さんは、
「いちばん国民生活を破壊するのは戦争になること。戦争になったら消費税どころじゃない。でも安倍総理は憲法9条を改正して国防軍を創設しようとしています。ダマされないように、ふだんからきちんと勉強して、どういう仕掛けで世の中が動いているのか知っておくことが重要です」