“アンチ西野”の2ちゃんねらーも“参加”
『渋谷ハロウィンゴーストバスターズ』と銘打ったこのイベントはトントン拍子に話が進み、ゴミを拾う500人のボランティアスタッフと、拾ったゴミでトラッシュアートを作る100人のボランティアスタッフは一瞬で定員に達した。
渋谷区の全面協力を得たほか、東急電鉄さん、西武デパートさん、ボランティアスタッフがゴミを入れる用のトートバッグ(ゴーストバスターズのロゴ入り)500個を提供してくださったROOTOTEさんや、背中に背負う用の掃除機を提供してくださったダイソンさん、さらには本家『ゴーストバスターズ』のソニー・ピクチャーズさんなど、本当にたくさんの方々の援護射撃のもと、総勢700人による渋谷大掃除がハロウィンの翌朝に敢行されることとなった。
しかし、ここで黙っていなかったのが“アンチ西野”の2ちゃんねらーの皆さん。
「西野のイベントを邪魔してやろうぜ」と、我々本隊が集合する2時間前に渋谷の街に集まり、「西野の邪魔をしてやれー!うりゃー!」と、ゴミを拾ったのである。
最高すぎる。
おかげでずいぶん助かった。
老若男女(ときどき2ちゃんねらー)総勢数百人のゴーストバスターズが、ゲラゲラと笑いながらゴミ拾い。大きなマントのゴミを拾った子供は「やった!これは使える」と雄叫びを上げ、3回続けてタバコのゴミを拾った親父は「もっと大味のゴミないのかよ!」と悔しがり、皆から笑われる。
なんとも痛快な朝だった。
一番嬉しかったのは2015年の年末に聞いた、「今年、渋谷が一番綺麗だったのは、ハロウィンの翌朝でした」という報せ。
街を汚すハロウィンがあったから、街を綺麗にすることができたのだ。
向かい風は消さずに使っちゃったほうがいい。
※2016年、広告業界の若手が選ぶ広告賞『Innovative Communication Award』でこのイベントが優秀賞を受賞
※イベントの動画『Shibuya Ghostbusters JAPAN Halloween』
《プロフィール》
西野亮廣(にしの・あきひろ) 1980年、兵庫県生まれ。1999年、梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。活動はお笑いだけにとどまらず、3冊の絵本執筆、ソロトークライブや舞台の脚本執筆を手がけ、海外でも個展やライブ活動を行う。また、2015年には“世界の恥”と言われた渋谷のハロウィン翌日のゴミ問題の娯楽化を提案。区長や一部企業、約500人の一般人を巻き込む異例の課題解決法が評価され、広告賞を受賞した。その他、クリエーター顔負けの「街づくり企画」、「世界一楽しい学校作り」など未来を見据えたエンタメを生み出し、注目を集めている。2016年、東証マザーズ上場企業『株式会社クラウドワークス』の“デタラメ顧問”に就任。
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