琉球大学の木村政昭名誉教授

 琉球大学の木村政昭名誉教授は首都圏の南、伊豆諸島沖地震の危険性を訴える。

「海の中ですので、前兆をつかむのはなかなか難しいのですが、大きな根拠になっているのは島の噴火です」

 と着眼点を明かし、震源地をもずばり絞り込む。

「プレート境界にひずみができると、そこにエネルギーがくすぶっていきます。近年、伊豆諸島の噴火が南から北へと移動しています。1986年に伊豆大島の三原山が噴火し、最近は箱根の火山活動が活発になっている。

 これは南のほうのプレートの境界のひずみにたまったエネルギーが周辺のマグマだまりを北へ北へと押しやっているから。したがって、大地震の震源となるエネルギーは南のほうにたまっているとみています」

 さらに、伊豆諸島沖の大地震に連動し注意を払う必要があると木村名誉教授が指摘するのは世界遺産、富士山だ。富士山大噴火が現実味を帯びているという。

「富士五湖の水がなくなったり、噴気が観察されており、富士山が休火山ではない証拠が、どんどん現れています。

 伊豆諸島沖で大地震があった後、北側のプレートへ日本列島がグッと押される。そのときに富士山の下のマグマだまりがぎゅっと押され、スポイトの中のインクが飛び出すように噴火活動が起こる可能性は否定できないと思いますね」