キラキラネームは虐待という人も
そんな風潮もあってか、“しわしわ”ブームは一般家庭でも起こっているようで、リクルーティングスタジオ『'15年赤ちゃん名付け男女トレンド』では、男の子の13位に「一郎」、女の子の9位に「文子」、19位に「徳子」などがランクイン。
じわじわと“しわしわ”が増えている。
「最近、名付け相談に来てくださる方の中でも、“キラキラネームだけはぜったいに付けたくない!”という人と、“個性的な名前を付けたい!”という人との二極化が進んでいます。
相変わらず個性的な名前であるキラキラネーム支持派に対して、世間では“キラキラネームが気の毒だ、虐待だ”という声が上がったため、以前に比べて突飛な名前をつけることへの不快感を抱く親御さんが、増えてきているのだと思います」
世間の声が大きく影響しているそうだが、ほかにも、名付けには世相が反映されていると牧野さんは言う。
「その時代に足りないものが、名前に付けられる傾向があります。例えば、太平洋戦争で負けていたときは、『勝』や『進』『勇』などが流行り、食料難の時代には『茂』『実』『豊』など。現在は人の優しさを求めて『大』『優』という漢字が増えています」
現代においては、“しわしわ”と“キラキラ”は紙一重。というのも、女の子の名前で“子”が付く名前が流行った時期もあったが、最近では逆に珍しいとされることもある。
「私のところにも、“男の子で3文字の名前だと古く見えませんか?” “郎という漢字を使うと昔っぽくなりませんか?”などと、相談をしにいらっしゃる方もいます。
ただ、結論を言えば名前によりけり。『健太郎』や『航太郎』や『琳太郎』という名前は今でも人気ですし、女の子でも『莉子』や『真子』など、今風の名前は多い。新しそう、古そうというのは、個人の主観ですから、断言はできません」
“変な名前だと思われないか”“平凡だと言われないか”と考えてしまう親は多いが、
「それでは子どもよりも、周りのことを最優先にして名前を付けてしまっています。“誰にでもわかりやすく”“誰よりも個性的で”と考えずに、自分の意見を持ち、子どもの将来を見据えて、名前をつけてください」
名前ではなく、その人自身が、キラキラと輝けることがいちばん!