【通夜ぶるまい】東は参列者全員、西は親族のみ
通夜ぶるまいは、読経や焼香のあとに、遺族側から軽い食事と酒が振る舞われ、故人を偲ぶ場。故人とともにする最後の食事となる。
「東では参列者全員が出席しますが、西では親族のみが出席します。要は、西には通夜ぶるまいの習慣がないんですね。だから、西の方が東の葬儀に出席した場合“身内ではないから”と遠慮しますが、東ではひと口でもいいから箸をつけていくのが礼儀です」
【納骨】東は全収骨、西は部分収骨
火葬後は、故人の遺骨を遺族や関係者が2人1組になって骨壺へと骨上げする。東は遺骨のすべてを骨壺に納めるが、西は遺骨の一部を納めるのみだという。
「よって、骨壺のサイズも東西で違うんです。東は6寸~7寸(約18cm~21cm)と大きめ、西は3寸~5寸(約9cm~15cm)と小さめです。東では骨壺に入りきらない場合、お骨を砕いてでも全部入れることが多いと思います。西では、入りきらなかったお骨は斎場に引き取ってもらいます。お骨のすべてを斎場に引き取ってもらうケースもあるようです」
【香典返し】東は半返し、西は三分返し
通夜葬儀でいただいた香典のお返しとして品物を贈るのが、香典返し。
「“関東の半返し、関西の三分返し”なんていわれますね。東ではいただいた香典の半額程度を目安にした品物です。関西ではいただいた香典の3分の1程度の品物を選ぶことが多いようです」
【七日参り】東は2回だけ、西は7日ごとに計7回
東では葬儀後の法要が、初七日と七七日(四十九日)だけというケースが多い。西では初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)と、7日ごとの法要をきちんと行う地域が多い。
「なぜ西は7日ごとにやるかというと、閻魔大王に裁きを受けるのが7日ごとだからです。7日ごとに“きちんと通れますように”“その裁きで地獄に落ちませんように”と親族が祈り、お経をあげます。四十九日は、極楽浄土に行けるかどうかの裁きが下る日。その日まで、細かく7日ごとに行うのが西の考え方なんですね」
【月参り】東はほとんどない、西はある
一般的な命日は故人が亡くなった月日だが、月命日は故人が亡くなった日のみを指す。つまり、月命日は命日の月を除いた毎月(年に11回)やってくる。
「東では月命日に、お坊さんに来ていただく“月参り”という風習を有する寺院や地域は、ほとんどありません。西では月参りの風習があり、毎月の月命日にお坊さんに来ていただくことが多いです。七日参り同様、西のほうが手厚いですね」