「華ちゃんとお前(溝端)は全然違う。お前は赤ん坊みたいなところがある。言っとくけど役者のレベルは華ちゃんが数段すごい。お前はバカなの。でも、それでいいの」

 すっかりバカ扱いする堤に、たまらず溝端も反撃。

「僕もバカなりに考えてやってますよ、毎回!」

 知らん顔で持論を述べる堤。

「女優さんってものの考え方が“成熟”しているのよね。男はバカなの。男が自分を確立するのは無駄なんだよ」

 渋い口調で教訓をたれたが、溝端の冷静なツッコミが。

「今日その話、4回目〜!」 

 名優・堤も、頭グルグル状態ではセリフが決まらない。

 まだ酔いの回っていない黒木が、溝端のモノマネでおちょくりに加わる。

「俺は愛されたいんだ〜」

「そんなん言うてへんやろ、黒木! 愛されようと思ってないやろ別にぃ。愛されようとして媚びるのは違うやん」

 ムキになる溝端に、再び堤が口を出す。