斎藤工はある生物に似ている!?
作中で描かれる斎藤工演じる農林水産省の職員・木村治と彩音の淡い恋模様は、女性ならきっとキュンとしてしまうはず。赤磐にやってきた木村のことを、彩音が「マダコが確定申告しに来たみたい」と例えるセリフはインパクト大だったけど……!
「あれは監督が現場で書き換えたんですよ(笑)。最初、セリフでは“マダコ”じゃなかったんです。現場にあるもののなかで一番工くんに似ているものは何だって、監督が探し始めて、マダコがいいんじゃないかって(笑)」
亡き兄が残した新種の桃「赤磐の夢」の品種登録を夢見てひたむきに頑張る彩音を、高梨はどうとらえて演じていたのだろう。
「彩音も、彩音のお兄ちゃんもそうですけど、自分の夢をあきらめて桃農家を継いで、品種登録を新しい夢にして頑張ってるっていうのが、すごく勇気があるし、素晴らしいなと思います。夢は一つじゃなくていい、というのが現実っぽいなと思ましたし。人間みんな『もうだめだ』と思うときもあると思うんです。それでも一生懸命まっすぐ向いていくっていう姿は、私も影響を受けました。
夢を語るって、今の時代、ダサい・恥ずかしい感じにとらえられてるけど、夢をもって一生懸命やることは素晴らしいことだって願いもこめて、監督が『夢のつぎ木』ってサブタイトルをつけたらしいんです」
高梨自身はもともと女優を夢見ていたのだろうか。
「いや、全然。幼稚園の頃はお花屋さんになりたかったですし、そのあと漫画家になりたかったこともあったし。きっかけはスカウトではあったんですけど、芸能界に入った中で夢をみつけて一つ一つのお仕事をやってるので、そういう意味では彩音と通じる部分があったのかなと。
今はセリフを覚えよう、役作りしようっていうのも、一個一個が夢の種ですし。その中で出会っていく人たちとまた出会えるように頑張ろうって思うことも、種をまいてることだな、と日々思います」