「伝え上手な患者」になるために書き込みシートを活用する
では、どうすればいいのか。平松医師は「メモをとること」をすすめている。やり方は簡単。下のイラストのようなシートを作って書き込むだけ。
「1には、いちばんつらい症状を書きましょう。それから2に時間経過を書く。例えば痛みの場合、いつからどう痛くなったのか。ひどくなってるのか、やわらいできたのか。それらによって診断や治療法が変わるため重要なポイントです」
3には、1以外に困っていることをまとめて。
「症状だけでなく、例えば“DV被害に遭ってるので夫に連絡しないでほしい”“治療費が心配”といった内容でもかまいません」
4は病名がはっきりとしている場合、医師に書いてもらうか、教えてもらってメモをとろう。
「病名がわかれば、同じ病気の体験者に話を聞いたり自分で調べたりして、理解を深めることができます。そうして書き終えたメモは診察の前に、看護師から医師に渡してもらうようにすればいい。看護師は医師の機嫌や状況をいちばん把握していますから」
大人であれば、言いにくいことを上手に伝えるスキルを持っているもの。それを病院でも生かせばいい。
「例えば、他院への紹介状を書いてもらいたいときは“他人のせい”にすればいいんです。父がどうしても診てもらえと言ってきかないので……と伝えれば、角が立ちません。患者さんが上手な聞き方をしたり、いい質問をしたりする病院は医師も成長します」