さらに、最近注目しているのが店内で調理しているお惣菜だ。もし近所のコンビニで見かけたら、決してバカにしてはいけない。コロッケやから揚げなど揚げ物が多く、1パック100円台とかなりお手頃価格になっている。もし今晩スーパーでお惣菜を買おうと考えているなら、その前に一度コンビニに立ち寄って、値段をチェックしてからにするのが正解だろう。

 コンビニを利用する層は、今後は若者より高齢者が増えていく。日々の食事をコンビニで調達するお年寄りも多くなるだろう。今後も彼らが手が出しやすい価格にシフトしていくと考えれば、コンビニは食費節約の助っ人としてますます期待できるはずだ。

冷蔵庫の死蔵品でカタカナメニューができた

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 もうひとつおすすめしたいのが、市販のドレッシング、調味料類の活用だ。使い切れずに冷蔵庫の場所ふさぎになっていることも多いかもしれないが、使用期限が来て捨てるだけでは悲しいし、おカネのムダだ。ここでも発想を変えてみると意外な味が楽しめる。

 寿司酢が余っていたら、キャベツを刻んで耐熱容器に入れ、寿司酢を適量加え、そこに粒マスタードをさらに加えて、レンジでチンする。これでなんちゃってザワークラウトが出来上がる。つけ合わせにすれば、ただのキャベツの千切りよりも、料理の格が上がるだろう。

 鍋の次の日は、使い残しの白菜と薄切り肉を容器に入れ、胡麻ドレッシング(しゃぶしゃぶ用のごまだれでも可)を加えてチンすると、これだけで箸休めの一品が出来上がる。以前、某ドレッシングメーカーに話を聞いたことがあるが、ドレッシングには「さしすせそ」の味噌以外のすべての調味料と油が含まれているので、これ一本で調味ができるそうだ。

 冷蔵庫に眠らせておくのは実にもったいない。冷蔵庫の余り野菜とちくわを刻んで、上記のように好みのドレッシングを加えてレンジでチンすると、お弁当おかずサイズの一品が簡単にでき、冷蔵庫もすっきりするというものだ。

 食費こそ、工夫次第で安く、そして楽しく減らすことができる。料理アイデアに自信がない人は、安い居酒屋のメニューを観察するといい。一品300円台のおつまみを見れば、どんなものが安く作れる料理かがわかるはずだ。おカネは有限だがアイデアは無限。節約をバカにするのではなく、ぜひ楽しんでほしいと思う。


松崎のり子(まつざき・のりこ)◎消費経済ジャーナリスト。20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』『ESSE』『Caz』などのマネー記事を取材・編集し、お金にまつわる多くの知識を得る。自分自身も、家電は買ったことがない(すべて誕生日にプレゼントしてもらう!)、食卓は常に白いものメイン(もやし、ちくわ、えのき、豆腐)などと徹底したこだわりを持ち、割り勘の支払い時は、友人の間で「おサイフを開くスピードが遅い人」として有名。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成した。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金がたまらない』(講談社)。