事件のあった『Sアミーユ』にも変化があった。7月に運営会社が変わり、それに伴って施設名称も変更された。外観は変わっていない。
施設では別の元職員による入居者への暴言や虐待も明らかになり、川崎市は介護報酬請求を3か月間停止させた。
新たに施設を運営する『SOMPOケアメッセージ』は、
「防犯カメラを増設し、職員も増やしました。まったく別会社ではなく、親会社のひとつが手を引いただけ。職員も入居者もほぼ以前のままです」と説明する。
ある入居者の家族は、「職員はみなさんよくしてくれますし、優しい方ばかりです」と話す。
事件解決が長引いたのは、単なる転落事故として処理した神奈川県警の初動捜査ミスに起因する。鑑識は出動せず、被害者の司法解剖もしなかった。
改善策を問い合わせると、
「当該事件を教訓とし、再発防止を図っています」(同県警)と回答があった。
初公判期日は未定。横浜地裁で争点を整理する公判前手続きが3回開かれた。物証に乏しい事件で黙秘をどこまで貫くつもりなのか。