【ところてん】おやつ? おかず? いったいどっち?
関東で、ところてんにかけるものは酢じょうゆだが、関西は黒蜜が定番。
「ところてんは奈良・平安時代に大陸から伝わった食べ物。江戸時代中ごろまで国産の砂糖はなく、貴重品だったので、昔は塩系の味で食べていたのでは」
とは、和菓子について数多くの著作をもつフードライターの中島久枝さん。昔は奈良や京都が文化の中心地。雅な人たちが希少なお砂糖で食べていて、それが定着した可能性も。実は、ところてん論争は酢じょうゆVS黒蜜にとどまらない。
「高知・愛媛では、かつおだしや麺つゆで食べていたり、群馬などでは箸1本で食べる文化もあります」
【桜餅】ピンク色は一緒でも、原料からまるで違う!?
「関東では小麦粉などで作ったクレープ状の皮に餡を包んだ“長命寺”タイプ、関西では道明寺粉のお餅で餡を包んだ“道明寺”タイプを桜餅と呼びます」
と前出の中島さん。違いが生まれた理由は諸説あるが、「江戸では長命寺タイプの桜餅が大ヒット。対して道明寺タイプは細く長く続いた和菓子。西の人が江戸のヒットを快く思わず取り入れなかったのかも?」
【ひなあられ】スイーツ系とおつまみ系が!?
「関東では米をはぜた菓子を砂糖で味つけ、関西ではあられをしょうゆなどで味つけします」(中島さん)
関東のひなあられは、ひな祭りが五節句のひとつと定められた江戸時代に生まれたといわれるが、一般化されたのは明治以降。一方関西は、平安貴族のひな遊びが始まりとか。
「商品化は戦後のこと。それまでは各家庭で作っていたようです。保存食の干した餅で作っていたのでは」