銀座の一流店が買う魚を食卓で楽しめる
銀座直売所は、「(築地では扱わない)1匹、2匹といった最少販売数から仕入れたい」という銀座料飲組合の要望によってオープンした背景を持つ。ところが、調べていくうちにほかにもニーズがあることがわかり一般客にも開放。結果、直売所は銀座の一流店が仕入れる魚を一般客も購入できるスポットとしても大きな注目を集めるようになった。
「北陸産の甘エビやボタンエビは、業者と一般の方で取り合いになることも珍しくない(笑)。鮮度抜群ですから、一般の方は必ずリピーターになります。今日の朝どれ魚をメールで発信しているので、気になる魚があれば取り置きもできますよ」(野本社長)
現在、羽田市場は全国55の漁港から約200種の魚を仕入れ、毎日約3・5~4トンほどの鮮魚が羽田に送られるという。1日約400~500トン(鮮魚のみ)届く築地の100分の1の取扱量だが、その品質と豊富な魚の種類を求めて訪れる人は後を絶たない。
直売所で出会った「名古屋から旅行で来た」という40代女性は、「1時間ほど前に築地へ行ったけど、お昼を過ぎているからか閉店状態のお店ばかり。一方、ここには目移りするくらいたくさん新鮮な魚や知らない魚が置いてある」と、驚いた様子。また、「購入した魚のオススメの食べ方を教えてくれるのもうれしかった。帰って調理するのが楽しみ」と、直売所の気遣いに心を躍らせている姿も印象的だった。
「新鮮な魚だからこその食べ方や調理方法がある。流通を変えるだけで、漁師は潤い、消費者は本当の魚の美味しさに気がつく。魚離れと言われていますが、子どもにアンケートを取るとお寿司が1位になります。魚食の強さは健在で、美味しい魚を食べていない人が増えてしまっていることが問題。それを解決するために羽田市場は、魚の魅力を発信し続けていきます」(野本社長)
「銀座に行けない」とお嘆きの方に朗報!
現在、羽田市場の魚は、『庄や』『日本海庄や』『大庄水産』などの全国410店舗をはじめ、『はなの舞』といった居酒屋で食べることが可能。また、百貨店では関東11店舗の高島屋、スーパーでは東急プレッセが扱っている。関西方面でも阪急オアシス、平和堂、関西スーパーで購入できる。
そして、刺身を購入する際に覚えておいてほしいことが! 「業務用の大根のツマや大葉を下に敷くと魚のうまみがなくなる」(野本社長)とのこと。そのためサクで買い、自宅で切って食べるのがオススメという。
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羽田市場 銀座直売所
東京都中央区銀座8-15-6 クリスタルスクエア銀座1F
営業時間:10:00~18:00/定休日:月曜日
電話:03-4582-2394