昭恵夫人をかばい続ける安倍首相
昭恵夫人をかばい続ける安倍首相
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 前出の有馬氏は言う。

「昭恵夫人が籠池氏と同じ証人喚問で説明するのが国民にはわかりやすい。しかし、なかなか応じることにはならないでしょう。証人として国会に立てば、野党議員から脇の甘さを揺さぶられ、“この問題で首相とケンカしたか”などと余計なことまで突っ込まれるかもしれない。政権にダメージを与える可能性があります」

 籠池氏の証言はリアルすぎて、政治のウラを垣間見たような気にさせる。しかし、政治とカネに詳しい日大法学部の岩井奉信教授は「安倍首相も昭恵夫人も、ポケットマネーからであれば仮に寄付をしていたところで法的には何の問題もない」と話す。

「公職選挙法は選挙区での寄付を禁じています。安倍首相は一国の総理であっても、公選法上は山口県選出の国会議員ですから、大阪の森友学園への寄付は問題ありません。ただし、もしお金を政治資金から出していたら話は別。政治資金の趣旨と違うので道義的責任が生じる。また寄付が政治資金収支報告書に記載されていないので、虚偽記載に当たります」(岩井教授)

 昭恵夫人が夫人付の政府職員を使って、財務省に問い合わせをしたことは役人の忖度を誘発する行為ともいえる。口利きにはならないか。

「“口利き”という言葉は悪く聞こえますが、陳情を受けて役所に問い合わせをするのは政治家の一般的な業務です。ただし、口利きの対価として金銭のやりとりがあった場合は、あっせん利得や収賄に問われます。献金を受けたとか、パーティー券を買ってもらったとか」(前出・岩井教授)

「祈ります」と連発

 そもそも、昭恵夫人は講演料をもらっていないと主張しているのだからビビる必要はない。むしろ追い込まれているのは籠池氏のほうである。籠池氏は証人喚問で、金額の異なる3つの工事請負契約書については「刑事訴追されるおそれがある」として証言を拒んだ。しかし……。

「間違いなく刑事訴追されると思う。未払い工事費など約18億円の負債を抱えて破産でしょう」(前出・有馬氏)

 籠池夫人とのメールで「権力使うなら死にます」などと責め立てられ、ひたすら「祈ります」を連発した昭恵夫人。祈る時間があったら国会に出て話してほしい。教育勅語を暗唱させる籠池ファミリーのやり方に共鳴し、小学校の名誉校長就任を引き受けたのは昭恵夫人なのだから。