幼少期、父・直盛(杉本哲太)に“いっそ領主になるか?”と問われた直虎。ついに亡き父が座っていた場所に座った気分は?
「“やったー”という感じです(笑)。自分自身、何かをプロデュースしたり客観的に見ていたいという性格なので、あの席はすごくいいですね」
しかし、座ってみると思っていた景色と全然違うと感じたという。
「人を、どちらかというと下に見るような気分なのかと思っていたのですが、むしろ人の気持ちを酌みながらバランスを保って調整していく人が座る席なんだと。最初は自分の気持ちや怒りを爆発させてしまう直虎さんですが、少しずつ領主としての“格”ができていく姿をお見せできればいいなと思っています」
気になるのは、幼なじみで井伊家の家老で、今川の目付けでもある政次(高橋一生)とのこれから。
「ずる賢く政次にいろいろなことを言われて“なんでそれを先に言ってくれない”と、ぶつかりあうんですけど、彼はやっぱり直虎さんより上手なんですよ(笑)。でも、彼のおかげで直虎自身も成長させてもらっている部分もありますし。
18話くらいになりますが、政次が少し変化していくポイントがありまして。そこでは、ふたりで魂をぶつけたお芝居ができた気がします。いま大注目の高橋さんの演技、特に女性ファンは必見ですよ(笑)」
飲み会で眠くなってもこらえる理由
直虎を取り巻く人間関係も、大きく変わった。
前半で去っていく人もいれば、新たな出会いも待っている。大河の主演として、そのすべての人とどんな思いで関わっている?
「私、いちばん最後までいたい人なんです。最後の最後に面白いことがあったら、それを逃したくないので。飲み会とかで眠くなってもこらえていたりするんです(笑)。
新しい人が来ると新しい風を運んできてくれますし、自分の中で緩むとまではいかなくても撮影に慣れてきたときに、新しい方のおかげで緊張感もいただけますし。ですから、最後までいろいろな人に感化されながら、いい感じでやっていきたいですね」
不思議な竜宮小僧に、柴咲は憧れ(!?)があるようで──。
「人助けをする竜宮小僧、私はわりと信じています(笑)。世の中は目に見えるものだけではないと思っているので。私のお仕事も目に見えない感覚的なメッセージを人に届けることができますから。そういう意味では、私も竜宮小僧になりたいですね」
直虎の衣装については、
「直虎さんには、色合いとして情熱などを表す赤がぴったりだと思っていました。鮮やかという感じではなく、そこに優しさが垣間見える朱というか、ボルドーっぽい色。私もそういうアイデアを出そうかと思っていたのですが、すでに自分が思い描いていたアイテムが衣装合わせのときに用意されていたので、納得して袖を通すことができました」