リンちゃんの家族は、2015年12月に、神奈川県川崎市から引っ越してきた。父親と母親、弟の4人家族。
「週2回、日常生活に支障がある外国籍の子に対して、日本語を教える場を設けていました。一生懸命、取り組んで、覚えた日本語で友人や教師に手紙を書いていました。学校の係の活動も熱心にしていて、明るくて本当にいい子だったと聞いています」
市教委は、リンちゃんの学校での様子をそう伝える。
人懐っこい様子は、近所でも目撃されていた。自宅近くに住む上級生は、
「去年の夏、友達と遊ぶ準備をしていたんです、そしたらリンちゃんが来て“何やっているの”って言ったので、“水風船の準備をしているんだよ。一緒に遊ぶ?”って誘って遊んだんです。すぐに打ち解けて、楽しそうにしてました。明るくっていい子だったのに、言葉もないです……」
と悲しげに話した。
同年代の孫がいるという70代の女性は、
「いつも元気に登校して、かわいい子でしたね。よくお母さんと一緒で……、お母さんもきれいな人でねぇ。無抵抗な小さな子どもを攻撃するなんて、許せない」
と声を震わせる。
不審者の目撃情報が多い
前出・出口教授に犯人像を尋ねた。
「子どもの連れ去りなどの犯罪の目的の7割は、わいせつ目的です。犯人は、社会に適応できない、自分の能力・容姿に自信がない人間です。気持ち悪いといわれるかもしれないなどと考え、同世代の女性には声をかけることができない。だからこそ絶対的な支配下に置ける子どもに性的なはけ口を求めるんです」
さらに犯罪者の特徴として、「小心者であるからこそ、慎重に入念に下調べを行い計画を立てます」と出口教授。
その見立てを裏づけるかのように、この一帯には不審者の目撃情報が多い。
「通学路に車を止めて、小学生をじっと見ている男がいたみたいです」「今年の2月に先輩がシルバーの軽自動車に後をつけ回されたみたいです」「数年前、小学生が車で追いかけ回されて、次の日に刃物で同じ子が脅されたって話を聞きました」「去年の夏ごろ、女子高生が車に連れ込まれそうになったと聞きました。ほかにも陰部を露出した男に女性が襲われたこともあったみたいです」