【拡散希望】とあったから……デマとは知らず回しちゃった

《工場が爆発! 有害物質が発生》というメールが。“ほかの人に知らせて”と書いてあったので、急いで友人に送信。ところが、あとでデマだったことがわかって──。

 佐藤弁護士が解説する。

ウソと知って風説を流して人の業務を邪魔したら、偽計業務妨害罪で逮捕される可能性があります。3年以下の懲役または50万円以下の罰金と、罪は重いですね。損害賠償を請求されるおそれもある。この場合、ウソと知っていてわざと回したのと相手の身を案じて回したのとでは額が変わってきます。また、メールを受け取った側にも軽々と信じたことに相当な過失があると認められれば、過失相殺で減額されるでしょう」

 実際に、熊本地震の際に《動植物園からライオンが放たれた》とツイッターでデマを流し、園に100件以上の問い合わせが相次いだため逮捕された会社員の例もある。

「“学校に爆弾をしかけた”などのデマも同じ罪に問われかねません。情報発信の前には、必ず確認を!」

嫌いな女のリア充ブログ、匿名でディスったらどうなる?

 な~んか鼻につくママ友のブログに「こいつはヤリマン」と悪口を書き込み。

「アウト! 公然と、つまり、内容が人から人へと広がるおそれがあるところで誹謗(ひぼう)中傷を浴びせれば、名誉毀損罪か侮辱罪で罰せられます」

 と清水弁護士

 両方とも相手の社会的評価を低下させたといえる場合に成立するが、前者のほうが罪は重い。どちらにあたるかのポイントは、具体的な「事実を摘示」したかどうか。

例えば、“〇〇氏はヤリマンでこの間も××氏とラブホテルに行った”などと明記したら、それが真実かどうかにかかわらず名誉毀損になりえます。単に“男たらし”と言うだけなら侮辱の範囲とされるでしょう。また、民事裁判で削除請求や損害賠償請求をされることもあります」

 でも、匿名だし、私が犯人だってわからないよね?

「とんでもない! 相手が弁護士などを立て開示請求をすれば、誰が書き込んだか判明します。ネットの書き込みに匿名は存在しないのだと覚えておいてください」(前出・佐藤弁護士

<プロフィール>
◎法律事務所アルシエン・清水陽平弁護士
インターネットトラブルをはじめ労務問題や債権回収、男女問題など多様な案件に携わる。企業や専門家に向けての講演にも精力的

◎レイ法律事務所・佐藤大和弁護士
芸能関係や恋愛トラブルを得意としメディアにも多数出演。「子どもを被害者にも加害者にもさせない」信念で法教育活動にも注力