道を聞かれてムシャクシャしてたので嘘ついちゃった
「わざとウソの道を教えたのであれば、故意に相手の業務の邪魔をしようとしたとみなされ偽計業務妨害罪として刑罰の対象になり、また民事で損害賠償請求をされるおそれも出てきます」
と、前出の石井弁護士。
例えば、宅配業者にウソの案内をしたせいで相手が遠回りをして、荷物の到着が大幅に遅れたら?
「最悪の場合、宅配業者、配達人、荷物を待っていたお客の3人から訴えられることもあります。ただし、訴える側が、道を教えた人の故意を立証しなければなりません。それもまた難しいことではありますね」
「お客様は神様」だけど、イヤな客は店から追い返せる?
大盛りが魅力の人気ラーメン店『ラーメン二郎』仙台店の店主が、注文したラーメンを食べきれず残した客に対し《人生初の「2度と来ないでくださいね~?」が自然と口から出て驚く》などとツイッターに投稿。店は客を選べるか大論争が巻き起こった。
この客がもう1度来たら、店主は入店拒否できる?
前出・石井弁護士は、
「できます。店には客を選ぶ自由があるからです。ただし、人種や男女差別などで客を選別した場合は、精神的な苦痛を受けたことを理由に損害賠償を請求される可能性があります」
銭湯での「外国人お断り」などがその例。ただしタトゥーを理由に入店を断るのは「認められるでしょう。入れ墨はヤクザをイメージさせるので周りが怖がるという正当な理由があります」(前出・佐々木弁護士)
またポスターなどを貼り相手の顔を晒すのもNG。千葉県内のマクドナルドで2月、店員を暴行した男の防犯カメラ画像を店頭に貼り出し、話題を集めたけれど、法的にはダメ、絶対!
マリオカートが公道を疾走! おもしろいけど法律的にOK?
公道を楽しげに走っている、まんまスーパーマリオの群れ。最近、よく見かける光景だ。サービスを展開しているのは株式会社マリカー。貸し出している『マリカー』は、普通免許があれば誰でも乗れる普通自動車。
佐々木弁護士は、
「これに乗って公道を走ること自体は何の問題もない。マズいとしたら、著作権侵害か不正競争防止法違反。他人の創造物をまねして利益を得るという行為は著作権侵害で、他人の商品・営業と混同させるような行為は不正競争禁止法違反の可能性があります」
マリオの生みの親・任天堂は、マリカー社に対し、著名キャラクターの衣装を貸し出したうえ、許可なく営業に利用していることなどが違法だとして今年2月、損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。結果はいかに?
食べ放題の店で「残したら罰金」の貼り紙、効力あるの?
「ただ罰金と書いてあるだけなら払う必要はありません」
と、前出の佐藤弁護士。日本では、罰則は法律などによって定められるというのが大原則だからだ。
「例えば、食べ残したら “残した分の代金を追加で払う” “500円を払う” など金額が明確で、かつ貼り紙がしてあったりすれば、店に入る時点でその契約に同意したとみなされ、払う義務が発生する場合もあるでしょう。ただ、 “食べ残したら” の定義もむずかしいですよね。米ひと粒でも “残した!” と主張されたらかないませんし……」
いずれにしても、食い意地の張りすぎには要注意。