老化のサインを見逃さずに、後悔のない介護を!
愛犬のゴールデンレトリバー“てん”を亡くしたことがきっかけで、犬の介護に関心を持つようになったという、高垣育さん。著書『犬の介護に役立つ本』(山と渓谷社刊)には、介護に必要な知識や実際に役立つ数々のノウハウが獣医師の監修のもとに、収められている。
「“てん”を看取った後、大きな後悔に襲われたことが、本を書くきっかけでした。
当時は介護の知識があまりなくて、十分なケアができなかったんです。そのとき、“てん”は13歳だったのですが、ゼイゼイしながら歩いていても、もうおじいちゃんだからしかたがないと思っていました。でも、定期健診に行ったときに肺がんがわかり、“余命は1か月くらいなので覚悟をしてください”と言われて、頭の中が真っ白に。家族全員、突然、介護生活に放り込まれたわけです。そして、改善の余地もないまま、あっという間に“てん”は旅立ってしまいました」
だが、その後、同じような思いを抱えている飼い主さんがたくさんいることを知った高垣さんは、動物の医療について調べ始めた。
「介護でいちばん、大変だったのが排泄の問題でした。“てん”は小柄な女性ほどの大きさだったので、排泄の苦労を痛感したのです。
調べていくうちに、専用のオムツがあることや、弱った足を支えるカバーのこと、食事の食べさせ方や、そのためのツールがあることなどを知りました」