自分を変えたいなら文字を変えればいい
私たちがふだん何気なく書いている「文字」には、実は思考や性格が全部出てしまっていることをご存じですか?
「文字って、本当にその人の今の気持ちを表すんですよ。字を改善したら、みんな100パーセントいい方向に向かいます。そんな事例をたくさん見てきました」と語るのは、のべ3000人にアドバイスしてきた筆跡診断士の小山田香代先生。
「筆跡診断」とは、欧米では「グラフォロジー」(筆跡心理学)と呼ばれる学問の一分野。人間は文字を脳からの指令で書くが、無意識に書くため、「筆跡は行動の痕跡」と言われるほど、その人の日ごろの行動傾向がそのまま表れる。そのため、筆跡を見ればその人の行動傾向が想像できるし、行動傾向がわかれば、その奥にある性格や深層心理も見当がつくことになるのだという。
「そこで、筆跡診断では逆の発想をするんです。自分の脳をコントロールしながら、意識的に文字の書き方を変えることで行動パターンや性格を変えるんです。そうすると、なりたい自分に近づくことができる。ポジティブな気持ちにしてくれる、いわゆる“開運文字”は、実はたくさんあるんですよ」
小山田先生が筆跡診断士になったきっかけは、職業訓練校の講師をしていたときに、生徒の再就職へのアドバイスを的確にできるようにするためだったそう。
「例えば、ものすごく小さい字を書く20代の青年がいて。小さな字は自信のなさや疲れの表れなんですね。実際、コミュニケーションが苦手な子で。で、彼に“字を大きくしてごらん。行動が変わるよ”ってアドバイスして、意識して大きく書くようにさせたんです。すると、人と気軽に話せるようになって、周囲の彼への評価も変わり、結果、ヒューマンスキルが上がって就職に結びついたんですよ」
先生は、何より大事なのは行動に移す前向きな気持ちだと語る。
「前向きな気持ちを持ったら行動に移さないと。そうするには字を強制的に変えて、自分のメンタルや行動傾向を変えるしかありません。文字の書き方を変えることはなかなか難しいかもしれませんが、意識して努力した方は結果が出ています。ぜひ、文字の書き方を意識的に変えて、なりたい自分になってください」
そこで、「なりたい自分になれる文字の書き方」を小山田先生に教えていただきました。講義を受けてもらうのは、お笑い芸人、とにかく明るい安村さん。