発足以来、高値安定していた支持率が4割前後に急落した安倍政権。これに伴い、自民党内では“次の首相”を巡る戦いが本格化している――。
「“もり蕎麦(森友学園)”と“かけ蕎麦(加計学園問題)”で国会は空転。
窮地に追い込まれた安倍政権は、テロ等準備法を強行採決し強引に通常国会の会期を終えました。本来は会期延長をして賛否の分かれる法案の審議に時間をかけるべきだったはずですが、それができなかったわけです」(全国紙政治部デスク)
安倍晋三首相は国会が閉幕した翌19日に首相官邸で会見し、冒頭、「政策とは関係ない議論ばかりに多くの審議時間が割かれてしまった。国民に大変申し訳なく感じている」と反省の弁を述べたが、国民の多くは納得できていないはずだ。
「次に“何か”出たらジ・エンドかもしれません。政権に“終わりの兆し”が出始めたことで、自民党の有力議員は水面下で準備にとりかかっていますよ」(同前)
最も活発な動きが見られるのは、石破茂元地方創生担当相だという。
「石破さんは来年9月の総裁選に間違いなく出馬します。
現在は、自派閥の水月会と主宰する勉強会(さわらび会)の組織固めを進めるとともに、精力的に地方行脚を行っています。総裁選で地方票(党員・党友票)を集めるためです」(自民党関係者)
加えて、「総裁選では議員票を取らないと勝てないので、最近は元気がない額賀派に接近しています」(同前)というのだ。
額賀派はかつて栄華を誇った竹下派(経世会)の流れを汲むが、安倍政権では冷遇されており目立った活躍ができていない。そこで石破氏は、額賀派とならば“反安倍”でタッグを組めると踏んでいるのだ。
「額賀派のキーマンは同派OBで“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄さんです。石破さんは青木さんに取り入って、額賀派の懐柔工作を行っているようです」(同前)