石破氏同様、動きを見せているのが麻生太郎財相だという。麻生氏といえば、安倍首相と公私ともに親しい“お友達の一人”と見られてきたはずだが……。

「森友、加計とも、騒動が拡大したのは麻生さんが黒幕だったためという噂もあります。麻生さんには、安倍さんと同じように“自分ももう一度首相をやりたい”という気持ちがあるといいます。

 何かあれば安倍さんに内閣総辞職してもらい、衆院任期いっぱいの来年12月まで、ピンチヒッターとして首相に返り咲くシナリオですね」(前出の政治部デスク)

 実際、麻生氏は党内での発言権を高めるために自派閥の拡大に血道をあげている。

「山東派の吸収が決まっていますし、谷垣グループから離脱した議員が集う天元会も合流予定です。これで麻生派は、最大派閥の細田派に次ぐ60人規模の勢力となります。内閣や党人事における発言力が一気に増しますし、本当に安倍さんが内閣総辞職に追い込まれたら自派から首相候補を擁立できるはずです」(同前)

 トップ取りを目指して百鬼夜行モードに突入した石破氏と麻生氏だが、ポスト安倍の本命は別にいるという。“安倍内閣No.1のイケメン”と言われる岸田文雄外相だ。

第2次安倍内閣発足以来、ずっと外相を歴任している安倍内閣の中核です。オバマ大統領の広島訪問や日露交渉など、重要な局面でもソツなく外相の重責をこなしてきました。

 本人は生真面目な性格で、舌禍や不祥事続きの安倍内閣の閣僚にあってスキャンダルもありません。安倍さんも全幅の信頼を置いているため、順当にいけば次の総理総裁の座に最も近いといえます」(前出の自民党関係者)

 岸田氏は、いわば安倍内閣の“優等生”といったところだろう。ただ最近になって、この優等生の動きにも変化が見られるという。