地域に根ざしたソウルフード、パンもその例外ではありません。“大きすぎる”と話題の迫力満点のパンから、観光名所になるほど人気のハンバーガーまで、“珠玉のパン”の数々を大公開!

沖縄全土で愛される、台風をモチーフにした大きなパン

■うずまきパン(沖縄県全域)

 そのふわふわのパン、直径12~13cmはある。大きく巻いたうずには、シャリッとした甘いあんがたっぷりと挟みこまれている。フォトジェニックなビジュアルから若い世代にも人気の『うずまきパン』の起源は、宮古島にあった。

「初代がこのパンを考案したのは50年以上前。創業62年になりますが、昔からの看板商品です」

 と語ってくれたのは、富士製菓製パンの上地さん。物資の少ない時代、バタークリームのかわりとしてショートニングと砂糖を混ぜてあんを作り、このパンを考案した。

「うずまきは当時、台風銀座といわれた宮古島の台風をイメージしたそうです」

 この味と形が人気を呼び、たちまち宮古島を代表する人気商品に育った。その評判は海を渡り、沖縄本島で働く人々に向け、本島の名だたる製パン会社がこぞって“うずまきパン”を発売。沖縄全島で愛されるパンに成長した。

 現在、富士製菓製パンの元祖・うずまきパンは宮古空港をはじめ、各所で販売されている。

「特に空港売店限定で発売した『デカうず』は“大きすぎる”と話題にしてもらっています(笑)」

『デカうず』は3斤と1.5斤のサイズ展開。3斤は通常サイズの10切れ分で、その重さはなんと1キロを超える。巨大で迫力満点、まるで丸太だ。さぞや食べでがありそうだ。味はプレーン、ココア、美ら恋(紅芋)の3種類。日持ちは4日間。宮古島の楽しい思い出とともにじっくりと食べ進めるのが、お土産用うずまきパンの正しい味わい方だろう。

全函館民が誇る、味&ボリュームNo.1バーガー!

■ラッキーピエロのチャイニーズチキンバーガー(北海道函館市)

 函館といえば“ラッピ”! 市民のみならず、道外からも観光客が押し寄せ、いまや函館市の観光名所ともなっているのが、市内を中心に17店舗を展開するハンバーガーショップ『ラッキーピエロ』だ。

 過去には日経新聞『日経PLUSワン』の“ご当地バーガーならこの店ランキング”で1位を獲得した同店の看板商品『チャイニーズチキンバーガー』(通称・チャイチキ)は、今回の特集で唯一、店名を冠した食べ物でもある。その名のとおり、中華風甘辛味の揚げたてのから揚げ3個にマヨネーズ、たっぷりのレタス。絶妙な味つけが人気の秘訣だ。

 チャイチキの標高(?)はなんと14センチ、直径11センチほどとボリュームも圧倒的! 具材が多すぎて“キレイに食べられない”と悩む妙齢女子も多いそう。

 もとは千葉県で中華料理店を経営していた創業者の王一郎さん。世界中のハンバーガーを食べ歩き、日本人向けの味を研究して考案されたメニューだ。食材も道産で鶏は伊達産、レタスは北斗大野産、と地域に密着した“地産地食”スタイルにこだわっている。

「今年で創業30周年。親子3代で通ってくれるお客様も多い。いろんな世代の方が来店され、地元老人ホームの遠足にも来ていただいています。地元に根づき、函館の人々が“自分たちが育てたお店!”と思ってくれている感じがうれしいです」(広報担当・王さん)