「似ていると思いません? 人を逆なでするのがうまいというか」と苦笑気味に指摘するのはスポーツ紙デスクだ。
「山尾議員が最新号の『婦人公論』に、不倫を疑われた弁護士と2人で登場し、インタビューを受けている。あの振る舞いは貴乃花親方と同じ。主張が正しいとか、政策が素晴らしいとか、そういうことではないのです。
要するに国民の感情、有権者の感情をわかっていない。自分は正しいから主張するんだ、潔白だから主張するんだ、というゴリ押し感だけが目立つ。それって政治家失格ですよね。国民の気持ちがわからないのですから」とあきれ果てる。
弁護士は山尾議員の政策秘書になっているため、議員と政策秘書が、夜中だろうがホテルだろうが、いつ会っても不思議じゃないでしょ、という言い分が透けるインタビュー記事。
国民は自分の立場に置き換え「自分の夫が仕事とはいえ2人きりで夜中に女性と会う」「自分の妻が仕事とはいえ2人きりで夜中に男性と会う」のを許せて、素直に納得できるのか、と考え、山尾議員の行動に違和感を抱くのである。
「まして今の時代、会わなくてもスカイプなどで意思の疎通はできる。どうしても会わないと政策決定ができないというのは、世間とも時代ともずれている。地方の会社経営者が、お気に入りを自分の秘書にして、どこに行くにも堂々と連れ歩いているようなものです」
と前出・スポーツ紙デスクは手厳しい。
一方の貴乃花親方も、愛弟子を現役横綱に暴行されたことに憤っているものの、言葉を一切尽くさず、世間や相撲ファンの気持ちを汲み取ることができないでいる。
「相撲協会にどういう対応をするか、そんなことはどうでもいいんです。相撲ファンのことをどれだけ考えているか。お金を出して本場所や地方巡業に足を運ぶファンは、直接、金を払うから大切ですが、そういうファンに加え、NHKで大相撲中継を見るだけの視聴率で相撲を支えているファンも、説明しない貴乃花にイライラしている。
暴行事件というシリアスな問題なのはわかりますが、まったく語れないというのは腑に落ちない。それでいて、自分に有利な情報を流すために、懇意のスポーツ紙を使って情報出しをする。やり方がすべてズルそうに映り、決して大衆の支持を受けない」(前出・スポーツ紙デスク)
2人に必要なのは、俯瞰してものを見てくれて、きちんとマネジメントをしてくれる優秀な芸能事務所だろう。
敵を作らずファンとの関係をどう良好に保つかを考える芸能事務所のノウハウを、貴乃花親方も山尾議員も一度学ばれた方がよさそうだ。今のままでは、2人はこの先、大衆に支持される親方にも議員にもなれそうもない。
<取材・文/薮入うらら>