ボク、くまモン。熊本県の営業部長兼しあわせ部長だモン。この役職は県知事、副知事に次ぐ3番目にエライんだモン!
熊本は2016年4月の地震で被災してまだ復興半ばだけど、日本3名城のひとつ熊本城は、来年には天守閣の外観が復旧予定だし、ごらんのとおり、ボクも元気だモン。みなさん、熊本に遊びに来てはいよ~(来てください)。
くまモンが動けば人も動く。どこへ行っても子どもから大人までみんなを笑顔にする。偉大なパフォーマーでエンターテイナーだ。
例えば、ある日の東京での熊本物産展。くまモンは熊本産さつまいものPRを始めた。くまモンと行動をともにするMCのおにいさんが「オススメの食べ方は?」と尋ねると、得意のジェスチャーで本領発揮。突然、中腰になって何かを引っ張り始めた。会場からも「ん? なに?」という声。くまモンは叫ぶ仕草を続ける。そう、リヤカーの焼き芋屋さんを模していたのだ。あげく、「お通じがよくなるモン」とばかりにトイレで踏ん張るジェスチャーまで披露し、会場は大笑い。
会えば誰もが魅了される。その人気の秘密を探りたくて熊本県庁を訪れた。
◇
くまモンとともに知事室で出迎えてくれた蒲島郁夫熊本県知事は、この1年の活躍ぶりをこう振り返る。
「今年のくまモンの3大ニュースは、2017年のくまモン関連グッズの売り上げが1408億円で過去最高を更新したこと、くまモンの偉人伝ができたこと、そして、くまモン切手が発売されたことですね」
関連グッズの売り上げは、’11年度の25億円から右肩上がりで、ついに56倍以上に達した。偉人伝とは、今年8月に出版された『学習まんが新・偉人伝』(小学館)の主役にくまモンが取り上げられたことだ。くまモン誕生から、熊本地震後の活躍までが漫画で構成されており、ファンならずとも泣けると評判になっている。知事も「豊臣秀吉やヘレン・ケラーと並ぶ偉人ってことかな」と笑う。
さらに日本郵便のキャラクター『ぽすくま』と、くまモンのコラボ切手とお便りセットも発売された。
「この切手を使って手紙を出すと、相手の方にとても喜ばれるんですよ」(蒲島知事)
今年も期待以上の活躍に知事は満足そうだ。
今や日本のみならず世界的に人気者となったくまモンだが、その道のりは決して順風満帆ではなかった。