「この瞬間も、綾部なら何かに向けて動き続けているんだろうなと想像がつくし、相方の存在は励みになります」
'17年に相方の綾部祐二が、活動の拠点をニューヨークに移したことで、コンビの活動を休止中のピース・又吉直樹。そんな彼が、『キングオブコント』覇者のライスなど、面白いと思った人だけに声をかけて集めたという、お笑いユニット『さよなら、絶景雑技団』の公演が今年も決定!
僕はお笑いしかできない
「コンビでやっているときはコンビの仕事を優先していたし、個人の仕事を含めて綾部に委ねて、彼の活動に乗っかってやらせてもらっていた感じです。でも相方が日本にいなくなってしまったので、僕自身が行動に移さなきゃいけない。
何がやりたいのか? と考えたときに、真っ先に思いついたのがコントライブだったんです」
単身、見知らぬ土地で奮闘する相方から刺激を受けているようだ。
「アラフォーになって、夢を追って海外に行くのは甘いみたいな声も聞きますが、綾部なら絶対何かやってくれそうだなって。横でずっと見てきましたが、あんなにサボらない人間は見たことがないですから。
何事にも貪欲で、常に動いていたいタイプ。スケジュールで休みがあると、マネージャーに“何でもいいから仕事を入れてくれ”って電話をしますからね。綾部がニューヨークで頑張っているんだから、僕も動かなきゃいけないな、と'09年に立ち上げたけど、しばらく休んでいた『さよなら、絶景雑技団』の活動を、昨年再開することにしました」
'15年には初の中編小説『火花』で芥川賞を受賞。現在も毎日新聞の夕刊で、小説を連載中。また昨年開催された、宇多田ヒカルの国内ツアーでは、共同でショートフィルムを制作するなど活動は多岐にわたるが、「僕はお笑いしかできない」とキッパリ。
「宇多田ヒカルさんなど、他ジャンルの方との会話は刺激になるし、ネタを作るうえでもよい影響は受けていると思います。小説を書いたり、報道番組なんかもやらせてもらったけど、僕自身はお笑いしかできない。
寿司店で見事だなって思うのが、ラストの大トロを美味しく食べられるように、絶妙なバランスで一品料理などを挟んでくるじゃないですか。ずっと大トロを食べていても飽きるでしょうし。それと一緒で、お笑い芸人としてベストな表現をするために、小説などの活動もやらせてもらっているという感覚です」
“絶景”をテーマにしたユニットだが、又吉が考える絶景とは?