『週刊新潮』(2月21日号)が報じたZOZOTOWNの前澤友作社長と剛力彩芽に関する記事が波紋を呼んでいる。それによると、採用試験で最終面接の場に、剛力が面接官として姿を見せていたというのだから驚きだ。
記事を読んで、“へぇーっ”と驚いた人は多いと思う。
驚いたあとに出るのは、
「いくらなんでも、それはないだろう」あるいは「あの前澤さんならあり得る」という言葉ではないだろうか。
そして記事では、
《企業にとって未来への投資たる人材獲得の場に、公私の別なく恋人を同席させたとなれば、経営者としての資質に疑問符がつく》
と、前澤氏を非難している。
これにはZOZOも黙ってはいなかった。会社のツイッターアカウントで、
《事実と異なります。当社の採用面接に役員及び社員以外が同席することは一切ございません。当社の名誉や事業活動に不当な損害を与える記事については、法的措置を含めた対応を検討してまいります》
と『新潮』に“宣戦布告”。たしかに、社長の彼女である剛力彩芽が最終面接の面接官という話は、素直には受け入れ難い。
しかし、ここで厄介なのは前澤氏が持っているイメージだ。これまでの行動を見ている限り、「彼らならあり得る」と思った人も多いのではないか。
加えて、普段なら自ら発信したがる前澤氏のツイッターや、剛力の所属事務所が沈黙しているのも疑問を加速させる。
取材力に定評のある『新潮』がまさか
また、週刊誌業界でも、一般の読者にとっても信頼の厚い『週刊新潮』が報じていることも、周囲を困惑させている。
「『新潮』がそんないい加減な記事を載せるわけがないだろう」と思った人も多いだろう。
ただ、記事を読んでみると、ツッコミどころがいくつかある。まず、ひとりの志願者から聞いた話がベースとなって書かれており、
《面接の席には前澤社長の傍らに剛力ちゃんもいたんです。彼女は質問というより、いかに前澤さんがすごい人かを力説しているだけでしたが》
という。面接した日時や場所、その日の彼女の格好、ほかにどんな面接官がいて、どんな質問をされたなど、本来あるべきディテールがまったく示されていないのだ。誌面の都合上、省いたのかもしれないが。
さらに、同じ体験をしたという志願者がSNS上に現れないのも不思議だ。会社側が面接を受けた志願者に、あらかじめ箝口(かんこう)令を敷いて、SNSへの投稿を禁止した可能性も否定できない。しかし、こんな時代だ。情報は少しずつ漏れだして、ネットで拡散されてもおかしくない。
とはいっても、取材力に定評がある『新潮』だ。どこの誰かもわからない人物が、適当に話したことを鵜呑みにしたとは思えない。経験豊富な記者が取材をして、信用できると判断した人物からの情報だろうし、確実にウラ取りはしていると思うし、そう信じたい。
そこで、謎を解くカギは、情報を提供したこの“志願者”にありそうだ。
仮に情報提供者が「ZOZOと関わりが深く、かつ前澤氏に反感を抱いている人物」であった場合なら、話に疑問を抱かなかったとしても不思議ではないが……。
これからの『新潮』サイドの反応が気になるところだ。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。