沢尻エリカ容疑者逮捕に世間は驚いただろうが、実は芸能マスコミの間では「とうとうパクられたか」「意外と時間がかかったな」と冷静なものだった。

 と言うのも、彼女の“薬物使用疑惑”はもう何年も前からささやかれていたからだ。にしても、本人が10年以上前から複数の薬物を使用し続けていたという供述に加え、今年は念願の大河ドラマの撮影にすでに入っており、自分でも「これが本当に自分の集大成だと思っています」だと意気込んでいただけに、このタイミングででやるか? と開いた口が塞がらない。

 芸能界では、「○○がクスリをやってるようだ」という噂が広がる場合が多々あるが、たいていは噂だけで収まる。普通の感覚の持ち主なら、クスリに手を出していたとしても自身の噂が耳に届いた時点で、止めるなり所持していたモノは処分する。なので、捜査の手が及んだとしても逮捕に至らないからだ。

 しかし中にはヘビーユーザーであるためか、噂が出て週刊誌の記事にまでなっているのに、どうしても断ち切れないまま逮捕されてしまうケースがある。

 近年では清原和博やASKAがそのいい例だろうが、沢尻も同じだったようだ。

 その上、彼女の場合は噂だけにはとどまらなかった。

「沢尻容疑者がクスリを使っている、おそらく逮捕されるであろうという情報は、今年の夏ごろに複数のメディアに寄せられました。その提供者もクラブに頻繁に通っている芸能関係者で、“情報を一番高く買ってくれる媒体に売ろう”としていたそうです。クラブで彼女に出くわすたびに、注意深く観察し続け、バレないように動画を撮影していたようです」(スポーツ紙記者)

 すでに動画を確認した記者もいるようで、

「沢尻がクラブでトランス状態で踊っている動画をいくつか見せてもらった記者は、彼女の状態について、“どうみてもラリっている”と言ってましたね。ほかにも沢尻容疑者がクスリを受け取っている現場を撮ったものもあるようでした」(同前)

 また沢尻が夜な夜なハイテンションで踊りまくっている姿は、クラブの客にも目撃されていた。客のあいだでも、「ちょっとおかしい」と話題になっていて、警察に通報した者もいたという。

 沢尻の目撃情報が出回った今年の夏ごろ、彼女が御用達のクラブに潜入した週刊誌記者によれば、

「店に行ったときは沢尻容疑者はいませんでしたが、クラブに似つかわしくない、クラブで遊んでいそうな雰囲気でない男たちを目にしました。警察関係者と思われます」

 捜査は着々と進んでいて、逮捕されるのも時間の問題だったようだ。逮捕の約2週間前には、記者の間で“Xデーは近い”という話が流れていたが、いざ蓋をあけてみると沢尻だけが逮捕され、“拍子抜けだった”という記者もいた。

なぜかと言うと、情報提供者の持っていた動画には沢尻だけでなく親交のあるモデルと大物ミュージシャンが一緒にハイテンションで踊っている様子がバッチリ映っていたみたいですから」(前出・スポーツ紙記者)

 クスリで芸能人が逮捕されると、毎回“芋づる式に逮捕者が出るのでは”と言われる。しかしこれまでそんなことは1度もない。前述したように、知人が逮捕されたら普通はクスリの使用を止めるなり、捨てるなりして証拠を隠滅するからだ。

 それともうひとつ、逮捕された容疑者の口が堅く、仲間を“売らない”事情もあるのだが──。はたして沢尻はどうか。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌などで取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。