「学校や教育委員会は、もうウソはつかないでほしい」
静かな口調でそう訴えるのは、埼玉県川口市の高校2年生の被害者(17)。同市立A中学入学当初から、入部したサッカー部員にいじめを受け、部員全員が入るLINEからひとりだけ省かれ、無視や暴力。さらに顧問による体罰が加わり、不登校に陥った。
「川口市教育委員会は異常」
学校に窮状を訴えたが、問題を軽視され、偏見や噂、中傷が拡大。2年生の秋、2016年9月には自傷行為を起こすまで追い詰められてしまった。
市の不適切な対応に、母親らは'17年6月に550万円の損害賠償を求め提訴。'18年1月にはいじめの記録の開示を求め裁判を起こした(損害賠償100万円)ことはすでに週刊女性でも報じている。
教育評論家の尾木直樹氏は、
「これは最悪、法治国家とは思えない。川口(市教育委員会)は異常」
とバッサリ。その損害賠償訴訟の口頭弁論で、市は「法律(いじめ防止対策推進法)として整合性を欠き(中略)欠陥がある」と、国が定めた法律を真っ向から批判した。
教育問題に詳しいレイ法律事務所の高橋知典弁護士は、
「本人がいじめといえば、何らかの対応をするというのがこの法律です。法に対する蔑視、軽視が見て取れる本音だ」
週刊女性の取材に対し、市教委はしどろもどろで、
「被害者に対しては可能な限り対応はしている認識です。(いじめ)防止法も(いじめを認めた調査委員会の)報告書も否定していないという認識もずっと変わらない。それに文科省や県からの指導にも速やかに対応していました」