ジャニーズ事務所を退所することを発表した中居正広、その記者会見は完璧であった。

 まるでバラエティー番組かのように記者たちをまわし、誰も傷つけないスタンスで誠実な受け答えをしつつ、いちいちオチをつけて笑わせるーー。朝のワイドショーを見た限り、根掘り葉掘り聞き出だそうと息巻いていたはずの報道陣が、逆に“仕切られて”しまっている感さえあった。

 2時間ぶっ続けで行われた質疑応答のなかには当然、SMAP関連のものも含まれており、先に事務所を退所した『新しい地図』の3人(稲垣、草なぎ、香取)との共演はあるのかという問いに対し、「共演するのは1%から99%の中にあるのは間違いない」とし、ソロで歌手をやることについては、「限りなくゼロに近い1%です。無理ですよ、歌はマジで無理です」と言及。

 そして、気になるSMAPの再結成について聞かれたときもこう答えた。

1%から99%の中にある。0ではないし、100%ないとは言えない。それはもちろん、1人でできることではないし、環境はみんなそれぞれになっていきますから。話をするにしろ、何回か重ねていかないとできないと思います。100%ありませんよ、ということはない」 

スターの愛情表現はスケールが違う

 このように、何かにつけて“パーセンテージ”を持ち出した中居クンであったが、とにかくすべてにおいて、“1%から99%の中にある”と可能性を示唆するような表現をしてきた。しかし、「(今回の退所は)結婚を見据えてのことか?」という質問に対しては一転、大きなため息をつきながら、

「全くございません。1ミリもかすらずで、結婚はないですね。願望もないし無理ですね。自分でわかってますけど人間的に欠落してるというか。難しいと思います」

 まさかのどんでん返し、“0ミリ”発言を繰り出したのだ。中居クンといえば、これまでに、さまざまな媒体で“10年恋人”であるダンサー兼振り付け師のA子さんとの関係が報じられている。ネットニュースでは今回の会見をうけて《中居正広という男…歌手、振付師らと交際報道も「ずっと一緒が無理」独特の結婚観》(スポニチ)とのタイトルが踊ったが、不思議と彼を叩くようなコメントはみられない。

 それには、いくつか理由があると思われる。

 まずは彼が長年テレビで「結婚に興味がない」ことを語り続けてきたということだ。つい先日の『中居くん決めて!』('20年2月17日)でも、「毎日家に同じ人がくるなんて気持ち悪い」といったユニークな意見を述べたばかり。つまり、「そんな彼と付き合うのだから覚悟があるのだろう」と解釈されている節がある。

 それに加え、はじめて交際が報じられた'17年から今日に至るまで、いっさいツーショットを撮られたことがない徹底ぶりに、世間が現実味を感じられないという点もあるだろう。さらに彼女は、もはや昨今のトレンドともいえる「SNSへの“匂わせ”投稿」なんてこともしないので、話題自体が最小限に抑えられてきたのも大きい。なんと彼のためにSNSを封印したのだという。なんちゅう献身ぶりだ。

 そんななか、つい最近に『女性セブン』('20年1月2・9日号)で報じられていたのは、あのAさんの最新事情だった。同誌では、中居クンの知人が以下のように明かしたという。

《中居さんにとってAさんは特別な存在。中居さんがAさんとの結婚を意識しているのではないかと私たちが感じたのは、中居さんが都内に新築マンションを購入したからです。隣り合う2部屋を買ってその壁をぶち抜き、300平方メートルを超える部屋を作ったのです。工事代も含めて10億円以上を現金で払ったと聞きました》

 おい、知人よ、一体どこまで語り尽くすんだ……。しかしながら、こんなにもデータが詳細だということは、事実にかなり近いのだろうと推測される。それにしても、マンションの隣部屋の「壁をぶち抜き」って! よく平然と「300平方メートルを超える部屋を作ったのです」だなんて続けられるな

 でも、その「壁をぶち抜いて」ふたつの部屋の垣根を除いてあげることこそが、“人とずっと一緒にはいられない”彼なりの最大の歩み寄りなのかもしれない。どんなスケールのでかい愛情表現なんだよ。やはり中居クンはスターなのである。

 ともすると、記者会見で「結婚はない」とバッサリ言い放ったのも、“これ以上彼女についての質問はさせない”ための守りの一手だったりして。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉