俳優の伊勢谷友介が自宅で大麻を所持していたとして、9月8日に大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕された。当初は「何も言えない」と供述していたという伊勢谷だが、現在は取り調べに対して所持・使用を認めているようだ。

 人気俳優の逮捕劇に、逮捕翌日の情報番組やワイドショーでは彼の経歴や人柄など、関係者の証言を交えながら番組を構成。それに対して、番組コメンテーターが意見を言うのだが、多数の出演作を抱える伊勢谷だけにやはりというか、あの“議論”にも及んだ。

罪を犯した個人と、俳優として関わった作品とは別に考えるべきだという、いわゆる“作品に罪はない”論争です。そもそも多くの制作費をつぎ込んでいるわけで、テレビ局や映画配給会社にしてみれば、たった1人の出演者の不祥事で“自粛”か否かの判断に頭を悩ませられるわけです」(スポーツ紙記者)

かつては木村拓哉の作品も

 近年では、昨年3月12日に麻薬取締法違反で逮捕されたピエール瀧。出演していたNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は降板となり、急遽、代役が立てられた。また映画『アナと雪の女王』『アナと雪の女王2』でも同様の措置が取られた。

「レギュラー番組なども含めて実に10作品以上に影響が及びましたが、木村拓哉さんも“被害者”です。初のゲームキャラとして登場した『JUDGE EYES:死神の遺言』には、ピエールさんが最重要キャラの1人として出演していましたが、逮捕後に1度出荷を停止してキャラクタービジュアルを変更し、別の声優に差し替えての再販となりました。話題作だっただけに木村さんにも“ミソ”がついた格好に」(広告代理店関係者)

 一方で、封切り目前だった映画『麻雀放浪記2020』は、白石和彌監督がまさに「作品に罪はない」と公開に踏み切った。ほかにも、瀧の代役を立てずにそのまま公開する作品も見受けられたのだった。

 同じく昨年11月16日に麻薬取締法違反容疑で逮捕された沢尻エリカの場合も、出演映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』は公開スケジュールを変更せず。かたや、撮影が始まっていたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は降板になり、またWOWOWで放送予定だった映画『食べる女』は放送中止と、作品によって対応が異なった印象を受ける。