「ちょっとびっくりしましたね。そんなに時がたっていたとは思わなかったので」
日曜夜9時のTBS『日曜劇場』に妻夫木聡が16年ぶりに帰ってくる。局や放送枠をさておいても『若者たち2014』(フジテレビ)以来、連ドラ主演は6年ぶりだ。
「“映画の人”って思われてるのかな」
「そりゃ、現場で会う人会う人、“子どものころ『オレンジデイズ』見てました”って言われるわけですよね。うれしいような、自分がおっさんになったんだなという気分になるような(笑)」
ドラマに関わっていなかった時間が、これほど長かったことに、誰より妻夫木自身が驚いていた。
「なんか、“映画の人”って思われてるのかな? と思ったりもするんですけど、そんなことはなくて。ドラマでも映画でも舞台でも、演じるということに変わりはないので」
そして、ドラマにはドラマのよさが確実にあると力説する。
「僕は小・中学生のとき、特にドラマをいっぱい見ていたんですけど、当時はあってもビデオは一家に1台。今みたいに二重録りもできないし、親が使っていることも多くて。
ダッシュで家に帰ったり、“早く来週が来ないかな”と待ちわびたり……そんなドラマがいっぱいありました。だんだん時間が流れ、今は1話完結ものが主流に。もちろん、それもいいんだけど“次はどんな展開になるんだろう?”とドキドキ・ワクワクさせてくれるドラマがもっともっと増えてもいいんじゃないかなと、最近特に思っていて」
10月11日スタートの『危険なビーナス』はまさにそんな作品だと誇らしげ。原作は、東野圭吾の同名小説。
ちょっとお人よしな獣医・手島伯朗(妻夫木聡)の前に突然、“弟の妻”を名乗る美女・楓(吉高由里子)が現れる。彼女の依頼で、失踪した異父弟(染谷将太)の行方を追う中で、名家・矢神家の30億円という巨額の遺産相続に巻き込まれていく……。
「ひとつ謎が解けたと思ったら、また何重もの謎が新たにやってくる。原作を読んでいる僕自身でさえも、結末を疑ってしまうくらい(笑)。たぶんドキドキしながら次週を待ち遠しく感じてもらえるドラマになっていると思います」