ビールやお茶飲料のCMで頻繁に見掛ける満島ひかり(35)が、TBS『監獄のお姫さま』(2017年)以来、地上波のドラマから遠ざかっている。BS波を含めても2019年8月の『甲子園とオバーと爆弾なべ』(NHK BSプレミアム)への出演が最後だ。

なぜ、フリーになったのか

 どうしたのかと思っている人もいるはずだが、2022年にNetflixが190か国以上で同時配信する『First Love 初恋』に出演することが、12月2日に発表された。長編ラブストーリーで、相手役の佐藤健(31)とダブル主演し、年明けから収録に入る。

 満島は2018年3月、所属していた芸能プロダクションを離れ、フリーになった。どこの芸能プロにも入っていない。個人事務所もない。全て自分の責任で、自由に1人で活動したいという考えからだった。

 とはいえ、独立すると、仕事が減るというのが、これまでの芸能界の現実。まして前所属芸能プロは樋口可南子(62)や安藤サクラ(34)、『七人の秘書』(テレビ朝日)で評価の高まったシム・ウンギョン(26)らを擁する大手なので、満島はテレビ局の忖度によって、地上波のドラマから干されたのではないかと見る向きもあった。事実、独立後の満島は一度も地上波ドラマに出ていない。

 だが、実際には干されていたのではない。満島は自分の意思でこれまで地上波ドラマに出演せず、次回作にNetflixドラマを選んだ。民放制作者やほかの芸能プロ関係者も口々に忖度を否定する。

 独立時も軋轢や摩擦はなかったという。前所属芸能プロの代表は、アイドルグループ「Folder5」出身の満島を開花させた育ての親のような存在。満島がフリーになる際も愛情のこもった異例の声明を出していた。

「所属という形ではなくなりますが、今後ともできるかぎりのサポートを続ける所存です。満島ひかりの今後をどうぞよろしくお願いいたします」

 一方、満島側が独立時にどう思っていたかというと、笑福亭鶴瓶(69)がホスト役を務めるトーク番組『チマタの噺』(テレビ東京)の2019年7月16日放送分で、こう語っていた。

「10歳から芸能の仕事をしていて、こだわりが強くなっちゃって……」

 どんなに居心地のいい芸能プロであろうが、所属している限り、自分のこだわりを全て押しとおすのは無理。組織の一員なのだから。このため、1人になったようだ。

 こだわりが強いと、民放地上波の連続ドラマの作り方もしっくりこないだろう。放送の約1年前には主演と脚本家が決定するが、内容を煮詰めるのはそれから。その後、助演陣が固まる。

 いわば何も決まっていないに等しい段階で主演を任される。途中で嫌になろうが、後戻りは出来ない。脚本が最後まで完成していない時点で撮り始めることもある。

 制作費も頭打ち。プライムタイム(午後7時~同11時)のドラマは基本的に3000万円台。決して高くはない。それでも局が出せるギリギリの金額である。実は「ドラマはほとんど儲からない」(民放幹部)。主演のギャラは基本的には100万円台から300万円程度だ。